国民の税金を使って美術館・博物館に大事に保管されている絵画芸術作品。そこに描かれているのは人間に対して突き付けられたこの世の真実の光景。人間は喰われるために存在すると言う事を、生贄の祭壇を描く事で伝えている。支配者の食事場面が描かれている。特に印象派のドガの絵には、残酷なまでのそんな光景が露骨に描かれている。
エドガー・ドガ 「浴盤」 1886年 オルセー美術館
裸の女性が、たらいに入って体を洗っているようだ。たらいにほんの少し水が入っているらしい。右手に持つのはスポンジか。画面右側をテーブルの線が大胆に分断している。そこに置いてあるのは櫛・タオル・ハサミと、壺に入った香油類か。
イラスト化しながらよく見てみると、こんな風に見えて来た。女の尻を包み込む何かの境界線が見える。これは女の上半身を呑む大蛇ではないか。
The Tub 1885~86年 ミルステッド美術館
こちらの絵でも女の尻を包み込み、上半身を呑む大蛇が見える。上半身・下半身を折りたたんで呑み込もうとしているようだ。そしてこの女の頭は無く、別の物(小さい人間)がそこにあり、女の頭自体はたらいの右横に転がっていると見えるのだが・・・。
ポール・ゴーギャン 「死霊は見ている」 1893~94年 埼玉県立美術館
ベッドに寝るタヒチの女が、バスタブの上の女と同じに見える。どちらも「神」に捧げられた生贄だからだろう。
The Tub 1889年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
ドガは粘土でこんな作品も作っている。バスタブの上に寝転んで体を洗う女、と言うよりも、「人間の丸焼き」のようではないか。
実際の所「神」は生食をするので決して焼いたりしないで、丸呑みしてゆっくりと消化するのだと想像する。