名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

クールベ 「アトリエ」 非現実的な絵、しかしやっぱり神の食事風景

この作品はクールベの代表作のひとつであり、横幅が6メートルもある大作である。彼のアトリエに大勢の人が入り込んでおり、何か非現実的な光景である。

ギュスターヴ・クールベ 「画家のアトリエ」 1854~55年 パリ・オルセー美術館

中央で絵を描いているのがクールベ自身。キャンバスには風景画が描かれているのに、何故か裸婦モデルが背後に素っ裸のまま立っている。子供や犬まで入り込んだ雑然としたアトリエである。この混とんとした感じ、レンブラントの夜景を思い出す。

画面右側に描かれているのが富裕層の人たち。端で本を読んでいるのが詩人のボードレール、椅子に座った男が批評家のシャンフルーリーだそうだ。その他美術愛好家たちが立って見学をしている。窓際で抱き合っている男女は自由な愛を表現しているそうだ。画家の絵には皆無関心だ。

画面左側に描かれているのは、貧困層の人々。服装が貧相で、皆うつむき加減に描かれている。

画面を明るくしてみるとより良く見える。人々の間にドクロもあり、赤子を抱いた女、物乞いの少女などもいる。キャンバスの裏側にあるのは彫刻だろうか、イエス・キリストの姿と思える。寓意的に人生の貧しさ、苦しさ、生と死などが描き込まれている。

 

画面中央部分。画家とキャンバス、裸婦と子供、猫等、アトリエに関係ある物を集めて描き込んである。実際の光景ではない。

裸婦の脱ぎ捨てた服にしても変な描き方で、普通こんな風にはならないだろうと思う。クールベの姿自体もどこかおかしくて、両手先が千切れて血を噴き出しているように見えるし、右足も膝から先が切れている。キャンバスの中の樹の形は上から降りて来る巨大な爬虫類の頭になっていて、クールベの右手に噛み付いている。

裸婦の脱いだ衣服はごちゃごちゃで、まるでマネの「草上の昼食」の画面左下の散乱した昼食のようだ。良く見るとこの中には、人間の形がいくつか見えて来る。

画面右側。人々の輪郭、陰影、絵具の明暗を辿って行くと、上のイラストのような上から降りて来る巨大爬虫類の頭が見える。画面下の方の人型を口に付ける形になっている。

画面左側。同じように巨大な爬虫類の頭が上から降りて来ている。同様に人型の生贄を口に入れている。

全体図。広い壁の面の中に、巨大な爬虫類(神の姿)が見える。貧しい人々を喰う神、富裕層の人々を喰う神、そして画面全体に大きく、全てを呑み込む神が隠されていた。画家自身も例外でなく、神の口の中に入る。

壁の中にいっぱいに描かれた巨大爬虫類がいて、その頭の上にやや小さめの巨大爬虫類の頭が乗っている。

現実の人間世界も、このような貧富の格差あり、色々な性格の人あり、宗教の違いありの雑多な混ぜこぜの世界なのだろう。言ってみれば家畜の小屋の中と変わりが無い。

広い壁の中にもう一つ、人間の性行為の隠し絵も含まれている。画家の真上に尻に見える部分がある。画面左上の端に人の頭と目と思える形がある。辿って行くと性行為をしている男女は二組ほどおり、連続して後背位を採っているのでどこかおかしな事になっている。鑑賞者に繁殖を促す隠し絵である。

 

この絵の解釈はまだ足りない。今後時間があればより深く研究して行きたい。

全ての絵画は観る毎に深く見れる。前回よりも深く完成度を高めつつ明らかにして行きたい。