名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

ドガ 「テオドール・ゴビラー夫人」 隠し絵を見つけやすいドガ

有名であっても隠し絵が見えにくい絵を扱うのはしんどい。ベラスケスよりも、ドガの方がよりはっきりと見えて来るのでそちらに移る。

エドガー・ドガ 「テオド-ル・ゴビラード夫人」 1869年 メトロポリタン美術館(ニューヨーク)

マネの弟の妻である「ベルト・モリゾ」の姉「イヴ・モリゾ」をドガが描いた物だ。

エドゥアール・マネ 「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」1872年 オルセー美術館

この絵は過去に調べた事があった。参考までに。

イヴ・モリゾの絵に戻る。美人姉妹だがその姉だけあってか、表情が少し険しい。頬が膨らんでいるのでふくれっ面のようにも見える。また口に何かを入れているようにも見える。コントラストを強めなくても、顔全体に赤い色がそばかすのように飛び散っているのは故意の表現なのか。首と衣服の境目に不自然な赤い線があり、これはまるで首を切られた跡のように見える。

髪の毛や背後の窓に、小さな人間を襲うオオトカゲのような表現が見られる。

膝の上に焼け焦げたような真っ黒な人間の姿が複数みられる。夫人よりも少し小さい人間だ。いや膝の上に乗っていると言うよりも、夫人の下半身に取って代わってそこに積み重ねられているのかもしれない。

両手でおかしなトライアングル形を作っている。こんな形になるはずが無い。特に左肩はどうなっているのか不明瞭だ。手が肩と繋がっているのかも分からない。そしてこの両手で囲うようにしてまた黒い人間を何人も抱いている。下の人間を押さえ付けているようでもある。

全体図。画面下半分は大きさも様々な人間がたくさん横たわり、積み重なっているのが分かった。夫人自身の下半身も背後にさりげなく横たわっている。ソファーのように見えている物がそれだ。マネの「ベルト・モリゾ」の絵でも夫人の下半身が後ろにぶら下がっていたが、ここでは下半身が背後に横たわっている。何ともおぞましい。

画面いっぱいに描かれているのは、上から降りて来る巨大な爬虫類の頭。画面下端の人間たちに口を付けている。

 

見えやすい物から隠し絵を説明しているのだが、そうは見えないと言う人もいるだろう。特に真面目に学校の教育を信じて勉強をしてきた人には、教科書に乗ってない事は受け入れがたいだろう。現に僕自身も初めはそうだった。しかし自分の目を信じて「見える物は見える!」と勇気をもって言うならば、この世の真実の理解に近づけると思っている。素直な心で(人に教わった事柄を全て捨てて)、時間を掛けて絵を見続けるときっと見えて来る。何回も繰り返し見ても良い。また別の見方が出来る。画像をソフトで明るくしたり、コントラストを強めたり、逆にぼかしたり、部分図として拡大してみたり、全体図を遠目で見たり、いろんな見方をする事で違うものが見えて来る。

見えた隠し絵が信じがたいような残酷な絵であっても、隠し絵が示唆する事が驚愕するような事実であっても、一応そのまま受け入れてみたい。