名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

ルノワール 「花と少女」 家畜の肉の看板

自分の目に見える物を、正直に他人に伝えたいだけなのだが、相変わらず反響が少ない。僕の目に映る名画の中の隠し絵があまりにも荒唐無稽な、現実離れした事柄だと判断されるからだろう。蛇を好む人も人肉食の話題を好む人もあまり多くないに違いない。僕自身も身震いするほど嫌いだ。しかしそんな状況があえて作られているとしたらどうだろう。人は蛇にかつて襲われた記憶が脳裏に残っているからそれを嫌う。仲間が喰われた記憶があるからそれを恐れる。前世の記憶か、先祖からの言い伝えか、何故龍神伝説や人身御供の話は残っているのか。鬼や悪魔・吸血鬼に血を吸われ、肉を喰われる恐ろしい話が何故こんなに広まっているのか。その疑問の答えが名画の中に隠し絵となっている。その事に僕は気付いてしまった。気付きは確信へと変わりつつある。

ピエール・オーギュスト・ルノワール 「花と少女」 1888年 サンパウロ美術館(ブラジル)

蛇の形をした神は人間の少女の柔らかい肉が好みらしい。この絵の少女はまるで肉屋の看板のように、奴らの食欲を掻き立てるように描かれている。コックさんの帽子をかぶった豚のマンガと共に「トンカツ」の文字が書かれている看板。昔街中のどこかで見たような記憶がある。それと同じ。マンガの豚の横の吹きだしには、「おいしいよ!」とかの言葉もあったかもしれない。喰われる豚が自分の肉をおいしいとか、全くあり得ない。しかしこの絵の少女は・・・・。

原題は「Girls with Flowaers」とあるので、ひざ元に集められているのは「花」らしいが、何の花なんだろう。ずいぶん地味な花である。花びらがどれか分からない。黄色っぽいのか、赤っぽいのか。少女はスカートのすそをたくし上げて「花」を持っているのだが、その手に赤いひものような物を持っていてそれも何かよく分からない。スカートの縁取り装飾なのか。

丸顔で、目のぱっちりとした可愛い娘なのだが、例によって唇が口紅を塗ったように赤い。ほんの少し口が開いていて、顎の辺りが変に赤っぽい。

口の部分を拡大してじっと見続ける。すると次第に微妙な変化が見え出して来る。イラスト化するとこんなになった。唇の、左側に飛び出ているのは、小さな人間の手か、足か。口の周りが血で汚れている。

スカートの縁と思える赤いひもを少女の両手がしっかりと掴んでいる。蛇を捕まえているとも思えるが、赤い蛇などいないだろう。もしかして彼女自身の腸?

首は本来の位置から少し後ろにずれている。両腕も同じように本来の取り付け位置から上か下に少しずれている。肩ひもが変に赤く、どこかおかしい。

この少女の首、手は胴体と繋がってない。切断されてその位置に置かれているだけではないか(切断面を見せながら)。腹の位置の「花」も「花」ではなく別物だろう。

ラファエロ・サンティ 「ひわの聖母」 1506年 ウフィツィ美術館

洗礼者ヨハネの左足。毛皮の着物のように見せているが、実は足の切断面である。切られた足がそれらしい位置に置かれているだけである。

同じくヨハネの左手も同様に切られて切断面を見せている(こっちは少し分かりにくいと思うが)。ヨハネは口から血へどを吐いている。

ラファエロの絵と同じように少女の手足が切断されている。そしてその背後には巨大な爬虫類の顔が見える。口を大きく開けて少女を丸呑みしようとしている。

全体図。人間の少女が解体され、パーツになって巨大蛇に呑まれる図である。奴らは生を好み、人間のように肉を調理したりしない。呑み込める大きさに切ってそれを丸呑みする。

「花」の部分が小さな人間が捕まっている様子を描いてあるらしいのだが、よく見えない。少女の腹の部分にいる小さな人間を両側から大蛇が喰い付きに来ているらしいのが見えるが、同じところがまた別の見方が出来るのだろうか。

少女の下半身も切断されているらしい。その下半身(イラストでは水色)が少女の服のごとくに首の下に置かれているのかもしれない。

少女は腹の所で切断され、その際周りに飛んだ血しぶきが「花」のように見えているのだろうか。彼女の両手に掴まれているのはやはり彼女自身の赤い血の付いた腸なのかもしれない。

人間から見ればこんな残酷な絵は無い。しかし肉屋の豚のコックさんのマンガ看板を考えれば、家畜がその主人に自分をおいしそうに見せて描くのは、喰う側からしてみればおかしくない事なのかもしれない。