ドガの踊り子のスカート部分が人間を咥えこむ爬虫類の頭に見えて仕方がない。2~3の実例を挙げる。
エドガー・ドガ 「靴を合わせる踊り子」 1885年 ディクソン美術館(アメリカ・メンフィス)
椅子に腰かけ、バレエシューズを履いている姿なのだろう。しかし手の黒さはどうだろう。陰になっているとしても黒すぎないか。それにその形もおかしい。肩から切られて血が通わず、変色しているように見える。両足も身体との繋がりがおかしいように見える。
イラスト化してみたらこんなになった。踊り子の上半身(実際は小さい人間の身体で組み立てられている)を巨大な怪物が口の中に咥えている。手も足もそれぞれバラバラになっているのを一緒に咥えている。
踊子の上半身と下半身を脊髄当たりで二つ折りにして丸ごと呑み込んでいるようでもある。
怪物の頭の周りには踊り子の血がまき散らされている。
この爬虫類の頭は、踊り子を咥えてその胴体をとぐろのように巻きつけてひと塊になっているのかもしれない。またこの巨大な蛇はより大きな蛇の口に呑まれているので頭しか見えないのかとも思える。
エドガー・ドガ 「待つ」 1882年 ポール・ゲッティ美術館(ロサンジェルス・アメリカ)
左が全体図。左側の踊り子のポーズが「靴を合わせる踊り子」と全く同じで、制作年もあまり変わらない。これも巨大な化け物に呑み込まれる人間に見える。
イラスト化してみた。やはり手足はバラバラである。右肩辺りは繋がっているように見えるが、肩から両手に掛けて尻と両足に見える。他の名画にもよく見かける「あべこべ表現」である。左足は向かって右がわの黒い化け物の口に入っている。
腰の青いリボンが化け物の目に違いない(もう一つの目は見えない)。
この化け物は人間を既に数人摂り込んでいるらしく、それらしい人体があちこちに透けて見えている。
背後により大きな爬虫類の黄土色の顔があるが、こいつが青い巨大化け物を口から出していて、それがまた人間を咥えて食物連鎖のような表現にしてあるのか。
より分かり易くイラスト化してみた。踊り子を呑み込む化け物爬虫類の胴体は下に回っているのかもしれない。床に透けて見える人体らしき形があり、床の板の継ぎ目が巨大蛇の蛇腹にも見える。
エドゥアール・マネ 「海岸で横たわる婦人・アナベル・リー」 1881年 コペンハーゲン美術館(デンマーク)
作者が変わってこれはマネの素描。同年代であり、コンセプトも同じと見る。下半身から巨大な蛇に呑まれている婦人である。蛇の目が衣服の皺に見えるように巧みにごまかされている。