「Google Arts & Culture」に漏れている名画がたくさんある。ゴヤの作品などもそうだ。このブログでも2~3点くらいしか扱ってない。
フランシスコ・デ・ゴヤ 「El Pelele(謝肉祭の人形)」1791~92年 プラド美術館(マドリッド)
道化師の人形を布で空中にほおり上げて遊ぶ婦人たち。トランポリンのルーツとも言われる。四人の婦人たちが呆けた顔で大きな布を持っているが、布の四辺に位置してはいなくて左手前にいるべき一人が何故か中央奥にいる。四人の顔が良く見えるようにしているのか。
両端の婦人は正に能天気な表情だが、中央奥の一人はちょっと癖のある顔つきをしている。何事かをたくらんでいるような、何かを隠しているような顔で、赤い口を大きく開けて歯も見せている。後ろ向きの一人は頭に特徴的な白黒の大きなリボン(大蛇にも見える)を被っている。
人形は普通ではあり得ない形に手足が曲がっているので人形っぽいが、所々生きている人間ぽい所がある。
道化の化粧を施されているが肌の色、白目等が人間っぽい。手が変に生々しい。
指の間に血が付いているようにも見える。ズボンの赤色が血だらけの肉の色にも見える。
見えにくいが、雲の中に巨大な蛇の顔があり、そいつに喰わせるために生贄の人間をほおり上げているのではないのか。中央奥の女の指示で、生贄を空に上げている図なのではないか。
空にいる巨大爬虫類はこういう風にも見ることが出来る。
全体図で見ると、地面には別の人間の生贄がたくさん敷かれている。婦人たちはそれらの上に立ち(踏みつけて押さえ)、空中にいる「神」に生贄を捧げている。
名画はどんな画題であろうとも、結局は生贄の祭壇の現場が描き表わされているようだ。
「神」は必ず空から降りて来る。生贄は地上の丘上の石の上に置かれている。だから歴史学者が「古墳」だとか言っている物は、僕は「生贄の祭壇」だと思う。「石室」は生贄を閉じ込めて貯蔵する為の場所ではないか。また日本の「神社」も大抵丘の上にあるから「神」の餌場だったのかもしれない。