名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

ミケランジェロ「システィーナ礼拝堂天井画」 寄せ絵で人喰い蛇を描いてある

ミケランジェロの絵は「カリカチュア(寓意画)」だと前回言ったが、正確に言うと「寄せ絵」である。

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江戸時代の浮世絵師歌川国芳のそれが有名(上図右端)だが、ミケランジェロと同時代のアンチンボルトと言う画家も「寄せ絵」を描いている(上図左と中央)。

ジュゼッペ・アンチンボルト(1526~1593年)はイタリア・ミラノ出身の画家。・・・・静物画のように緻密に描かれた果物、野菜、動植物、本などを寄せ集めた、珍奇な肖像画の製作で世に知られる。(Wikipedia) 

ミケランジェロの没年が1564年だからシスティーナ礼拝堂の天井画等彼の 作品も見ているだろう。ミケランジェロの絵が「寄せ絵」である事を気付き、啓発された一人かも知れない。

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ミケランジェロ・ブオナローティ システィーナ礼拝堂天井画 1508~1512年 (バチカン市国

天井と壁の間の隅に描かれた「聖堂の蛇」と言う画題の絵。蛇を崇めないと災厄をもたらすぞと言う聖書の話を絵にしているのだが、ここに「寄せ絵」がある。

右の尻を向けた男とその右の横たわった男とで巨大な怪物のような蛇の顔が出来ている(イラストで黄緑色の部分)。その後ろの4~5人の群像で別の怪物が見て取れる(緑色部分)。黄緑の巨大蛇が人間の足を咥えており、そいつの頭を緑の巨大蛇がまた齧っている。

真ん中の空も蛇顔を作っていて(青色)、人間を下半身から呑み込んでいる。

左の群像も足を残して人間を呑み込んでいる蛇である(薄緑)。

最下段も多分巨大蛇が大口を開けてい人間の足に噛み付いている所だろう(黄緑)。

アンチンボルトや国芳の様に公然と「寄せ絵」である事を知らしめず、隠し込んでいるのがミケランジェロのやり方である。彼の描く人体は立派すぎ、顔も端正に整っていてそれにばかり目が行って誰も気づかない。僕も今まで全く気付かなかった。ミケランジェロの描く理想的な人体に感心させられてばかりいた。しかし別の視点で見ればこういう絵であった。

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礼拝堂天井画窓の上の三角部分の絵のひとつ。背後の子供や爺さんは「寄せ絵」の為に描かれた。この二人は手前の女に喰らい付く巨大な蛇の上あごの為にある。

女の上半身を巨大蛇が大口を目いっぱい開けて呑んでいる。女の下半身は既に蛇の体の中に入っている。女の右手が蛇の眼を形作っている。

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天井画メイン部分の「大地と水の分離」。髭を生やした人間の親父が巨大魚にも見える巨大蛇に喰われる所。赤い巨大蛇の口からピンクの少し小さめの蛇が出て来て、親父さんはそれに下半身を呑まれている。背後の子供の絵は巨大蛇の眼や牙(に見える)を構成する為に描かれた。

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「太陽・月・植物の創造」 神でも何でもなく、単なる髭の親父が巨大な蛇に喰われる図。本当の神(人間がそう思い込まされ、日夜拝んでいる神)はこの巨大蛇の方である。神の姿は親父さんの背後の訳の分からないポーズの4人ほどの人間と衣とで形作られる。親父さんの左脇の下の空間と、金髪の少年の右手の下の衣部分が巨大蛇の眼であると見た。子供の折った右足が口である。巨大蛇の右半分は同時に小さな赤い蛇が振り向いているようにも見える。親父さんの足を咥えているのは別の蛇であるようだ。左足にかぶさって右足をぱっくりと咥えている。

見方を変えるとまた別の蛇が見えて来る。右手の黄色い服の人も蛇の横顔に見えるし、この人自体も青い蛇に喰われているようにも見える。さらに親父さんの体自体のあちこちに蛇の顔が見えている。小さく見れば見るほど人喰い蛇が増えて来る。

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天井画メイン部分の横、ペンデンティブと言う所にある絵「リビアの巫女」。

男のような立派な体格の「巫女」が大きく描かれているが、この人間も上から下がってきた巨大蛇に喰われている。左ひざにかかった衣が上唇、左の子供の白い膝が右眼、「巫女」の尻の下端の不自然な白みが左目だと思う。背後の柱に挟まれた部分がこの蛇の胴体である。この人は膝から下の二本の足を残してこいつに呑み込まれている。

逆三角形の筋肉質のたくましい体・端正な顔立ちに見とれて本質的な物を見逃してはいけない。

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同じくペンデンティブの「デルフォイの巫女」。

同様に上から降りて来る巨大蛇に呑まれている人間を描いてある。下半身をオレンジ色の大蛇が呑み、上から来たものはそれごと喰っているのか。両腕と頭だけを残して巨大蛇に呑まれているらしい。

 

レオナルドダヴィンチやミケランジェロは解釈が難解である。不明確な描き方で、見方によってどうとでも採れる。今回のミケランジェロの絵に関しても、画像を縮小してみたり、薄目にしてみたり、時間をおいて見直したりしてみてやっとここまで分かった。今後見直しの機会があったらまた違う物が見えてくるかもしれない。