レンブラントの絵の中に、赤ん坊を蛇神に喰わせている図があった。
「聖家族」 1645年 ロシア・エルミタージュ美術館
レンブラント聖家族1 posted by (C)カール茅ヶ崎
聖母がイエスをゆりかごに寝かしつけながら読書をしている。その後ろには養父の大工ヨセフが仕事をしている。左上方、明るい所から天使たちが救世主の誕生を祝福しに来た・・・・と見せておいて、この絵の本当の主題はそうではない。
レンブラント聖家族2 posted by (C)カール茅ヶ崎
暗い部分を明るくすると見えて来る。まずゆりかごの中の赤ん坊は蛇どもに喰われまくっている。顔の上から肌色の蛇、首の辺りに白い蛇、身体の下から赤い蛇、またゆりかごのフードの上から、聖母の服の方からも大蛇が集まって来ている。
聖母自体も下半身が黒いデカい蛇に呑まれているし、頭も白いのに噛まれている。
ヨセフは下半身をその後ろの巨大な蛇に呑まれている様である。前垂れと尻は別の大きな蛇がそれっぽく見せていて彼の身体は実は蛇の口の中だろう。
背面では巨大な蛇が何体も上から降りて来ている。
天使の集団は、遠目に見ると巨大な龍の様な化け物に見える。
地面には超巨大な蛇がとぐろを巻くようにして、天井に登り、これが天使の集団の作る龍の頭と繋がるのかもしれない。
レンブラント聖家族3 posted by (C)カール茅ヶ崎
表情からして赤ん坊の死体だろう。手も足も既にあるべき位置には無い。
レンブラント聖家族4 posted by (C)カール茅ヶ崎
短すぎる右手が顔の横から不自然な方向に飛び出ている。この手はもう繋がってないのだろう。そしてこの手に下にあるのは、山芋? おもちゃ? いやこの子の足か手だろう。切断されてそこに持って来られ、上下左右から白蛇・黄蛇・赤蛇に喰われている最中である。黄蛇が3匹以上張り付いているので切断面は見えない。
レンブラント聖家族5 posted by (C)カール茅ヶ崎
女の顔拡大図。この目付きの悪さは、眠る我が子を見守る母のそれでは無い。眼の上下・こめかみ・顎に蛇の頭と眼が見える。
レンブラント聖家族6 posted by (C)カール茅ヶ崎
ヨセフの手にしているのは、まさかりの様な物かと思ったら、柄の付き方がちょっとおかしい。ヨセフは骨の様な物を持ち、その先を巨大蛇の口から飛び出た黒い蛇に咥えられているのだ。骨を蛇に喰わせているのか。
レンブラント聖家族7 posted by (C)カール茅ヶ崎
上方の天使、救世主の誕生を祝福している顔では無い。何か嫌な物をみるような・・・。
レンブラント聖家族8 posted by (C)カール茅ヶ崎
左上の方の天使は蛇に喰われている。
坊主頭で後ろを向いているのは、これは天使ではなく、大蛇の口。カバかウマの様に大口を開けて右の天使の腕に噛み付いている。
レンブラント聖家族9 posted by (C)カール茅ヶ崎
画面右下に不自然な物が転がっている。マキと炎に見えるが、床で直に火をたくか?また女の足(蛇の頭だが)を置いた木の箱の中に見えるのは・・・・人の足裏? すると床に散らばっているのはマキではなく人の骨? 炎の色の蛇が赤い肉片の様な物を喰っている。
レンブラント聖家族10 posted by (C)カール茅ヶ崎
ミレー「晩鐘」での男の足元、ジャガイモの茎が人の手の骨に見えるのを思い出した(バスケットもしゃれこうべっぽく描いてあるし・・・)。
レンブラントのこの絵は「聖家族」なんかでは無く、蛇神に食糧としての人間の赤ん坊を喰わせている男女の絵。何処からか赤ん坊を調達して来ては蛇神に捧げる。そんな家が実際にあって、レンブラントは(ミレー等も)それを絵にしている。