名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

モネ 「ラ・グルヌイエール」 悪魔に授けられた天才的技術

モネの力量を感じさせる作品を一つ。

クロード・モネ 「ラ・グルヌイエール」 1869年 メトロポリタン美術館(アメリカ)

セーヌ河畔に設けられた水浴場での光景。人物の描き方が雑で、筆でひと塗りしただけの描き方だが、河の表面の波に当たった光の表し方が素晴らしい。水面の、水の滑らかさ、ぬるっとした感じがよく描けている。

北斎の「神奈川沖浪裏」のように、素早く移り変わる水面の光の変化を見事に捉えて絵にしている。

そのくせ拡大して見ると、絵具の原色に近い色がほぼ筆の太さで横に流れているだけである。細かい色の変化でなく、形を面取りし、色のエッセンスを捉えて表現している。これで遠目には波の揺らぎが見えるのだから人間技とは思えない。

人物もその影の陰影を描かず、殆ど一色だけで表現する。アカデミックな絵ばかり見て来た人にとってはこれは絵では無いと言うだろう。写真のように目に映る形や色をそのまま二次元に表さず、心の目に映る心象を表したこの絵に驚いたろう。

ただそんな素晴らしい技術も、この絵に隠された「神(悪魔)」による力を借りている証拠が見えている。爬虫類の顔を持った「神」は、画面のいたる所にいる。左上の空から降りて来る者、その下に重なるようにしている者、右上から顔を覗かせている者。これらの「神々」が画面の下半分に隠された人間を口に当てている。

人間は二人に見え、会い重なって喰われながらも交接しているようだ。

悪魔に強く望みを言えば、この世における名誉、地位、財産が保証される。しかしその代わり魂を売り渡すことになる。天才と言われる名画の作者は全てそんな契約を「悪魔(神)」と交わしたのだろう。その契約書のサインがこんな隠し絵なのかもしれない。作者は「悪魔」との契約内容を、見る人が見れば分かるような形で隠し絵を残さなければならないのかもしれない。歌手が「悪魔」との契約のサイン(人差し指と小指を立てて悪魔の顔の形を作る)を歌いながら掲げなければならないように。

右は、オーギュスト・ルノワール 「ラ・グルヌイエール」1869年 スウェーデン国立美術館

同じ年、同じ画題、同じ場所でルノワールが描いている。

ルノワールの方はこんな隠し絵が見える。画面いっぱいに爬虫類の顔があり、人間を咥えている。その人間は足が途中で切れている。喰われている途中なのだろう。

同時に水浴場の紳士たちをも喰っている。

ルノワールの絵の隠し絵は何通りかの見え方が出来るが、こんな風にも見える。人間が生殖活動をしている図である。男女どちらも股から子供を産んでいる様子だ(生殖行為も出産も、人間より長い寿命の「悪魔」から見れば一瞬の事なのだろう)。

小舟は確かに隠し絵の人間の足の切断面で、足の裏側ではない。なぜならばモネ、ルノワールと言わず、名画には手足の切れた人間を隠し絵としている絵が多くあるからである。

こんな風にも見えた。人間の交接と出産。目を細めてイラストのようだと思えばそう見える(見えない人もいるだろうが)。この場合、小舟は下の人間の足裏である。二人の交接部分から紳士たち人間が出て来ているし、大きな子供も生まれ出ている。

左上から来た「神」は二人の産んだ人間たちの所に口を持って行き、摂取している。人間を増産させて摂取する、人間は家畜として生かされている事をここでも語っている。