名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

ドガ 「風呂の後」 ここまで残酷な表現を誰も気付かないのか?

高画質画像を多くアップするとページがどうも重くなってしまう。申し訳ない。

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エドガー・ドガ 「After the Bath (風呂の後)」 1895年 フィリップスコレクション(アメリカ)紙にパステル画

幅約33cmの小品であるが、ひどく残酷な表現をしてあるのが目に付いたので今回扱う事にした。

ドガと言えばバレリーナの可憐な姿を多く描く画家として有名だが、以前「水辺で髪を鋤く女」・「ベレッリ家の人々」・「舞台稽古」を見た限り、女たちの手足が大蛇に喰われて無かったりした絵であった。今回の絵は中でも一段と残酷さを増した絵である。

一見すると裸の女がバスタブから上がる場面であり、メイドがバスタオルを持って待つ姿が描かれているようである。女が左手を突いている所はバスタオルの掛けてある椅子だろうか。右の方にはカーテンのような物がやはり椅子らしき物の上に置かれている。ボッティチェリの「海から上がるヴィーナス」では花の妖精が布を持ってそれを掛けようとする場面が描かれていたがそれを思い出す。

ただ女の表現に不審を持つ。なぜ後ろ姿なのか。なぜ股を大きく広げてバスタブを乗り越える姿なのか。右の手の表現が稚拙であるし、右足も何か変である。メイドの顔には眼鼻が無い。左のタオルもよく形が掴めないし、右のカーテンのあたりも何がどうなっているのか分からない。左足の所に床に転がっている物は何だ。

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女の体には蛇が無数に張り付いていた。右手や頭は既に無く、大蛇に取って代わられている。尻が異様にデカいのは大蛇の頭がそこにあるからである。

蛇神たちが画家に描かせる絵は全て蛇で形作られている。だからこの女も爬虫類人であると即断できないかもしれない。蛇で形作られた人形を実際の人間を表していると見なければ話が進まない。蛇神の作画ソフトは架空の蛇を無数に集める形で用いているのだろうか。

人間の女が蛇に張り付かれ、その体の一部を喰い千切られ、周りからも大蛇どもに喰い付かれている。

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女は右足をバスタブから出るために上げているのではない。右足の上肢部分は蛇に喰われて既に無く、下肢が切断されてバスタブの中にいる大蛇に横咥えされているのである。その大蛇は後ろの大蛇に咥えられ、そいつもまたその後ろの大蛇に呑まれ、上方に向かって連結している。

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画面左上のメイド、俯いて頭を見せているのか、何か判然としない表現である。絵画の中で、主題以外の物をぼやかして表現し、中心の主体的画像を引き立たせることはあるだろうが、ここまで隠す事は無いだろう。このメイドも恐らく蛇に喰われて体が無くなっている。タオルを持つ両手も蛇のようである。(手にタオルの他にカップを持っているようにも見える。風呂上がりのお茶?)

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メイドがティーカップでなく赤ん坊を抱いているようにも見える。この場合赤ん坊の顔がどこを向いているのかは不鮮明で分からない。おそらく正面かもしくは風呂上がりの女の方(女の頭を呑み込んだ大蛇の方)を向いている。

赤ん坊の体は白い布で巻かれ、両手を腹の前で交差している。こんな姿をどこかで見た事がある。以前調べた横山大観の「龍興而到雲」の下端や、ミレーの「晩鐘」の一輪車の上、モネの「睡蓮」等の中にもこんな白布で巻かれた人間が描かれていた。生贄の昔からの形なのか。

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そして画面の一番前には犠牲者の遺体を置くのが法則であるかのようである。この絵では画面左にあるバスタオルは大蛇であり、人間を咥えて振り回し、持ち上げて呑み込もうとしている。人間の切断された上半身、うつぶせの形で大蛇が咥えてこちらにこれ見よがしに見せている。風呂から上がる女と比べてもかなり大きく描かれているのでよほど近くまで持ってきている事が分かる。この犠牲者は空中に持ち上げられている。この人の胴の切断面からは大量の血が流れ出ている。地面に落ちているのは内臓か何かだろうか。

真ん中にあるのは人間の足であろう。大きく描かれているのでかなり近くにあると言う事である。

右手のカーテンに見える物もやはり大蛇であり、人間を頭から呑んでいる最中である。腹のあたりまで呑まれている。右手は上げてバスタブの中に、左手は真下に下げている。下腹部に大蛇が張り付いて見分け難いがたぶん仰向けになっている。

バスタブの中に先ほど指摘した足先以外にも何か人体の部分にも見える所があるがよく分からない。

全体を見まわすと画面の三分の二くらいを占めて巨大な蛇の頭が風呂上がりの女の周りに大きく描かれている。その口は画面下方の人体のパーツに向かっている。

全体図もイラストにしようと思ったが、あまりに残酷な表現を見て、胃がむかむかして来て耐えられないのでやめた。同じ「蛇神の食人図」にしても、画家によって示唆するだけの柔らかな表現からこのドガの絵の様に露骨な残酷表現をする者もいる。

一度この絵をこういう風に見てしまうとそれ以外には見えなくなる。僕の他に誰も気付かないのだろうか。