美術館にある名画は暗い色の物が多い。背景が暗すぎて何が描いてあるのか分かりにくい。これはわざと暗くして真実を隠しているのではと疑ってしまう。
と同時に、絵の中の生物が好む環境を表している部分もある。「神」とか「悪魔」は暗い所を好むと言う。日本の天皇の神宮の引っ越しの際も夜の「浄暗」を選ぶと言う。我々が「神」と呼んでいる生命体の好む環境が、暗くジメジメした所であるならばそれは納得できる。
レオナルド・ダ・ヴィンチ 「岩窟の聖母」 1483~86年 ルーブル美術館
上方に空が見えるので、洞窟の外なのだろうが、下端に水が溜まっているので暗くジメジメした所であるのが分かる。天使や洗礼者ヨハネが一緒にいるのだが、それにしてもこんな暗い場所でなくて、もっと明るく爽やかな場所での遭遇を舞台に選べなかったのか。まるで蛇の住処のような環境ではないか。
画面を明るく変えると、僕にはこんな風に見え、こんなイラストが描けた。マリアを鼻の上に乗せた巨大な蛇が、幼児二人と女一人を襲って口に入れている図。
レオナルド・ダ・ヴィンチ 「洗礼者聖ヨハネ」 1514年頃 ルーブル美術館
暗い洞窟のような所で、ヨハネが意味ありげに指で上を指し、ニヤッと笑っている。この指は天の「神」を指しているようでもあるが、くらい背景を明るくしてみると、右端のイラストの様である事が見えて来る。ヨハネの指は、上から降りて来た巨大な蛇の頭にあてられ、「これが神の本当の姿」だと言っているかのようである。彼の左手で抱えた小さな人間を巨大な「神」の口に与えている。馬にまぐさを与えるように。
ティントレット 「キリストの洗礼」 1585年 カピトリーニ美術館(イタリア・ローマ)
キリストの洗礼のような輝かしいイベントを絵にするのに、何故こんな色の少ない暗い雰囲気に描くのだろうか。イエスの足元の水草は、良く見ると人の肋骨ではないか。
レオナルド・ダ・ビンチ 「東方三博士の礼拝」 1481年 ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
この絵は未完成だとされるがどうだろう。マリアの後ろに巨大な蛇がとぐろを巻いており、手前の人間たちを片っ端から食い散らかしている図であるならば、絵全体に血の色が飛び散って赤くなっている・・・・と考えれば、これで完成作品なのかもしれない。同様に「荒野の聖ヒエロニムス」(1480年頃 ヴァチカン宮殿)も血の飛び散った完成品と見られる。
ドメニコ・ティントレット 「天国」 1588~94年 ドゥカーレ宮殿(イタリア・ヴェニス)
これが本当に宮殿の壁に描かれた天国の絵なのだろうか。経年劣化で黒ずんでいるだけではないだろう。人体がぐちゃぐちゃに折り重なった人肉ハンバーグのような天国だ。天国の明るさを際立たせる為の黒い部分が多すぎる。もっと全体的に明るいお花畑のような絵がそれにふさわしい。西洋人の感覚ではこれで良しとするのだろうか。
ティントレット 「磔刑」 1550年 ソウマヤ美術館(メキシコシティ)
キリストが十字架刑にあっている悲しい場面だが、雨が降って来そうな暗い空が描かれている。良く見るとキリストの背後に巨大な蛇が迫っている。空から降りて来るのではなく、地上を這っている。地上はいかにもジメジメした湿気の多そうな所に描かれている。
サンドロ・ボッティチェリ 「プリマヴェーラ(春)」 1477~1478年 ウフィツィ美術館(フィレンツェ)
春は花の季節であり、明るい陽光が満ちていると思うのだがこの絵はどうだろう。黒い地表、黒い果樹園、女神たちを引き立たせる為とはいえここまで黒くする必要があるだろうか。全体を見ると、上から巨大な蛇が降りて来ていて、ヴィーナスの後ろにある肺のような形がその蛇の脳に見える。手前の神々たちを洗脳して踊らせて食糧にしようと言うのか。
ピーテル・ブリューゲル 「反逆天使の墜落」 1562年 ベルギー王立美術館(ブリュッセル)
画面下方の血の色の化け物たちは、地上で食い散らかされた人間たちの変わり果てた姿。画面全体を薄目にして見ると、上のイラストのような巨大な蛇が暴れまくっているのが見える。ここはそいつの食事処であり、血や肉が飛び散っている。
エドゥアール・マネ 「草上の昼食」 1862~63年 オルセー美術館(パリ)
裸の女は娼婦であり、木陰で人目に付かない所で紳士たちの相手をしているとされる。しかし左下の服や食物の散らかった様子はただ事ではない。良く見るとそれは人体のパーツが山と積まれているのであって、上の紳士と女たちの肉片であるようだ。上から巨大な蛇が降りて来ていて、彼らを喰っている。
ピーテル・パウル・ルーベンス「ヴィーナスの戦車」1630年 スウェーデン国立博物館
山の中の谷間、こんな所に大勢のキューピッドが遊んでいる。崖の側面にヴィーナス像が立っていて彼らを見守っている。空にはアポロンの馬車が飛んでいる。
何故キューピッドがこんな所に集められているのか。右側の手を挙げた女は何をしているのか。
ここは天の「神様」が幼児を喰う為の餌場である。ヴィーナスや女たちがそれの補助をしている。地面が赤く染まっている。
レンブラント・ファン・レイン 「ダナエ」 1636~1634年 エルミタージュ美術館
ゼウスが人間の女に金を与えて子を産ませようとしている。
ゼウス(蛇型生命体)は女を囲い込み、上から被さるようにしているベッドやカーテンで表される。
左下が何を意味するのか今一つ分からないが、多分金色の小さい人間を産んでいる場面を描いているのだろう。この暗い寝室も明るくしてみると血の色に染まっている。蛇神は暗い洞窟のような所を好む。