名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

クールベ 「波間の女」 解体される人間家畜

血も涙もない残酷な行為が絵の中に隠されている。

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ギュスターヴ・クールベ 「波間の女」 1868年 メトロポリタン美術館(ニューヨーク・アメリカ)

海の波打ち際で美しい女が水に浸かっている。ヴィーナスの誕生を思い起こさせる光景である。この絵を見て鑑賞者の目は端正な顔立ち・血の透けるような滑らかな肌と共に大きな乳房に引き付けられる。腋毛があったりして古典的なヴィーナスよりもより身近な存在に感じる。しかし背景の水平線上の空は曇り、背後の断崖らしきものも描かれ、いかにも原初の時代に水の中から生まれ出る美の女神を思わせる。ヴィーナスをより身近な存在として描いた物だろうか。

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ただよく見ると体のバランスがおかしい。顔と胴体に比して両腕が小さい。同じポーズをしてみると分かるがこの形の腕組みをするとこうはならない。左手を頭にぴったりと付け、右手をその上に乗せると、右手の肘はほぼ直角に曲がり鑑賞者側にもっと大きく突き出ていなければならない。そう思うと太さも足りず違和感しか感じられない。これは女の乳房を強調し、母性を示したい作者の意図だろうか。その為に関係の無い腕は故意に小さく描かれているのだろうか。

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女の髪は赤い。コントラスト強めると腋毛も喉下の影も赤っぽくなる。口から同じ赤っぽい物が流れ出ているようにも見え、目の周りも暗い陰になっている。目に光が少ない。ヴィーナスの誕生ならなぜこんなに顔に陰があるのだろう。目がうつろな暗いヴィーナスである。

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左手の先が赤い。まるで井戸から這い上がって来た貞子のように指先が血だらけなのか。爪ははがれておらずその爪先が右腕に食い込んでいるのか。人差し指と中指で右腕の肉を摘まんでいるようだ。

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顔の部分をイラスト化してみた。髪の毛辺りにやはり蛇の形と蛇に咥えられる小さな人間が見えた。頬がわずかに膨らんでおり、何かを喰っているらしい。唇上に見える赤い物は小さな人間かまたは血反吐と思える。

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首の下端の筋が右腕に隠れる所まで続いている。この女の頭部は首の所で切れていて胴体と継がって無いのではないか。喉下の赤いのが血であるとすればそれが納得できる。

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左の乳房。乳首の所が蛇の頭に見えるのは僕だけだろうか。蛇の両目の丸と蛇に咥えられた小さな人間も見え出す。

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右乳房。同様に乳首に蛇が人間を咥える様子が見えるのでイラスト化した。この蛇はどうやらとぐろを巻いて乳房の形を作っているらしい。

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画面下端はより注意深く見て行きたい。女の身体は波の中で見えなくなっている。

この作品の翌年に描かれた「もの思うジプシー女」(国立西洋美術館)を以前見たが、その女は下半身が無く、背後にその下半身がぶら下がっていると言うものだった。だから多分この女も腹から下が無いと思われる。その下半身も画面の中のどこかに置かれているだろう。

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波頭を立てる白波の中にイラストのような形が見えて来た。生贄にされた小さな人間たちの姿である。女の身体自体も上から横から大蛇に喰い付かれている。

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背中の後ろに見える断崖はこの女の下半身であろう。さらにこの女は上下を切断されているだけでなく、両腕・頭部も切られているようだ。切断された線がはっきりと見える。

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腹の部分・両肩・首で切断され、まるでと殺された牛豚のように解体されている。大蛇が呑み込みやすいようにだろう。

人間は解体され呑まれるために創られた家畜であるとこの絵は言っている。多くの鑑賞者はここに気が付かない。女の美しい顔立ち・豊かな乳房に魅了されてそれに気付かない。奴らがこれだけ多くのヒントを与えてくれているのに気付かない。美術館で数分間見ただけで通り過ぎてしまえば見えて来ないだろう。「人間とはなんと愚かで悲しい生き物だろう。」と言う奴らの嘲りが聞こえてきそうだ。