名画の中の人喰い蛇

美術品が教えてくれる命の意味を農作業しながら考える。

「聖徳太子絵伝」(東博) 日本国の治め方の指針 

日本の歴史を大化の改新以前に方向づけた聖徳太子の伝説を絵にした障子絵を見る。

秦致貞(はたのちてい)筆 「聖徳太子絵伝」 平安時代1069年 10面ある中の第9面・10面 東京国立博物館 国宝  f:id:curlchigasaki:20190211104936j:plain

6世紀の聖徳太子の数々の逸話を絵にしたもので、その内の四天王寺建立・摂津難波の湊・小野妹子の遣隋使派遣が描かれていると言う。1000年も昔の絵で色褪せており、至る所に剥落があるのでどこまで真実が見れるか心配になる。逸話自体もよく知らず、にわかに勉強してみたがどうか。

この絵伝には聖徳太子が幼い頃空を飛んだとか、甲斐の黒駒に乗って富士山を見に行ったとか、皇后に会ったとか、法隆寺を建立したとかの画題が他にあったが、なぜこの難波の湊のある絵を選んだかと言うと、画面右下に怪しげな塊が描かれていたからである。山の間を流れる川であろうか、僕にはこれが巨大蛇の頭にしか見えない。また同時に生贄の人肉の山にしか見えない。

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まず他の部分を見てみる。画面中央、重要人物らしき男が祭壇の上にいる尼さんのような女(よく見えない)に向かって手を合わせている。傍らにいるのは袈裟を着た坊さんたちだろうか。詞書が這ってあって何やら書いてあるが読めない。手前に寺の建物の絵があり四天王寺の字があるから、ここでは恐らく四天王寺建立の報告を偉い人にしているらしい。聖徳太子蘇我馬子と共に物部氏と戦い勝利したが、その際に四天王の協力があったのでその寺を建てる事にしたと言う。

聖徳太子と思われる男の向かいにいるのはその四天王だろう。僕には巨大な蛇の上に乗った妖術使いに見える(上図右イラスト)。巨大蛇の後ろにもさらに大きな蛇が口を開けている。周りも蛇だらけで、大使自身も大きな蛇に繋がっているように見える。

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画面左端には中国が描かれ、上部に遣隋使として行った小野妹子が三人の老僧に会う場面が描かれていると言う。

確かに妹子らしい男が三人の坊さんと会っているように描かれてはいるが、周りが巨大な蛇だらけで従者は皆喰われて(蛇の体の中に取り込まれて)しまっている。三老僧自体も巨大な蛇の顔の一部である。小野妹子は中国から仏教と言う蛇信仰の悪魔教を取り入れて来たのだ。

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画面右下の山の描写は全て人間である。皆うつ伏せ、折り重なって頭や手を水の中に入れ、「水漬くかばね」のようになっている(上図色を付けた物全てが人間またはそのパーツ)。左の方の木の根に見える所は人間の髪の毛である。頭を水の中に突っ込んでいる。

右の方にも裸の人間が転がっている。あばら家の前にも人間が小さく描かれ、これと比較すると倒れている人間はよほど大きいとも思えるが、あるいは巨大蛇が口に咥えて人間を振り回している所が大写しになっている(ドガの「風呂の後」の様に)のかもしれない。それとも蛇に喰われる人間を描くために方便として遠近法を無視してあるのかもしれない。

それにしても大量の遺体である。昔映画の「明治天皇と日露大戦争」と言うのをテレビでやっていて、二百三高地奪取のために日本兵がロシアの機関銃にバタバタ倒され死体の山を築くシーンがあった。それを思い出す。

明治と言う時代は、日本人が「国」と言う物をしっかり自覚し、天皇の為に命を捧げる事を第一にした時代であった。そんな「国」の大本を定めたのは聖徳太子であったと思う。仏教を国教として天皇制を中心にした「国」を彼が作った。

そもそも「国」と言うのがあるから領土争いや何かで戦争が起こる。「国」と言うのは大量の死体を生じさせるために奴らが作ったものではないのか。

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全体の画質を変えてみると、巨大な蛇が人間の遺体の山に口を付けているのが見えて来る。

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イラスト化するとこうである。右下だけでなく、左下・真ん中下・画面中央から右にかけて等至る所に人間の死体がある。全て蛇画像の口の所に配置される。こんなすごい地獄絵図は初めて見た。

画面右上から中央下にかけて龍の顔が見える(四天王寺の建物の柱を龍の口の歯に見せている。イラストでは明るい黄緑色にしてある)。角や耳に見える部分もある。日本は龍の国とも言われるが実体は蛇の集まりで架空の生き物に見せているだけである。

小さな蛇・中くらいの蛇・大きな蛇と縦横無尽に画面を蛇画像が占めている。見る人によってどのようにも見えるようになっている。一番大きいのは画面全体に広がる巨大蛇の顔で、画面中央下の生贄の人肉を喰っている。

この絵にはこの国の形を決めた蛇神一族の最初の指針のような物が示されている。殺しまくり喰いまくるぞと言う蛇どもの意気込みのような物を感じる。