畑・生き物・美術

畑にある命・美術品が教えてくれる命の意味を農作業しながら考える。

トマトの一年

トマト種から種
トマト種から種 posted by (C)カール茅ヶ崎

種苗会社から野菜の種が届いた。

その中のトマトの種のこれからの1年について思いをはせて絵を描いてみた。

 

種の中はこれから双葉になる所・根になる所等が既に決まっているらしい。子葉・幼芽・胚軸・幼根・胚乳・種皮・毛の各部分となっている。(絵の左上の丸っこいのが種の断面図。農業アカデミーの教科書から写した。)この種を土に播き、適当な水分・温度・酸素があれば発芽する。(トマトの発芽に光は必要ない。)

大きさ3ミリくらいの小さな種が、やがて2メートル近くの樹になると言う現象が面白い。発芽して双葉の出た前後の時期が最も可愛らしいが、同時に最も神経を使う。何しろ赤ちゃんだから絶えず温度や水加減を調整し、徐々に光にも慣らして行かなければならない。双葉の次に本葉が出、それが5~6枚続いた後一番花が咲く。苗を畑に定植したらその後はどんどん生長する。支柱で支えて芽かきをして茎1本の仕立てにする。

黄色いシャープな花が咲く。受粉は虫媒でなく自分でするそうだ。風が吹いたり虫が揺らしたりすることで自家受粉するという事だ。(他の株の遺伝子を入れようとしないのは何故か、よく分からない。)(専門農家は花にホルモン剤をスプレーして奇形果を減らすようにしているようだが、僕はあまり面倒な事はしない。)

花の雌しべの所に実が生り、それが徐々に大きくなる。トマトは樹の生長と結実が同時に進むから、この時期も作業が多い。誘引結束・芽かき・薬散・下葉欠き・収穫・調整・出荷の作業だ。他の野菜の世話もするから、一人では大規模面積は出来ない。

天敵はコナジラミ・アブラムシ・オオタバコガ・カラス・台風の風等で、病気も色々ある。栄養分の偏りによる尻腐病等もある。

実の中の種を自家採取して来年も使えるといいのだが、サカタの一代交配種F1なので出来ない。

 原産地から遠く気候も違うこの国に来て異種交配され、実も大きく均質化され、野菜の中で一番人気のトマトは、人の手によって絶えず管理されなければ市場に出てこれない希少な野菜だ。

艱難辛苦を乗り越えて、出荷し終わった後に奇形果と言われる規格外の物が手元に残る。虫食い・尻腐等は悪い部分を切り捨てて食べる。サカタのおどりこと言う品種は最近主流の甘みの強い品種ではないが、甘みの強いまくわ瓜と一緒に食べると最高においしい。それと沢庵も同時に食べるのが僕の夏の楽しみのひとつだ。