西洋医学は化学合成された薬品を患者に投与する。僕たちは風邪薬・頭痛薬・胃腸薬等日常的に何の疑問もなく使っている。薬品は患部にも効くが大なり小なり必ず副作用があると思う。
薬は一種の毒だと聞いたことがある。毒を以て毒を制しているらしい。
出来れば医者には掛かりたくない・薬は飲まずに病気を治したいという人は普段から基礎体力を付け、頑丈な体を作っておくしかない。
西洋医学で治らない病気の人は東洋医学(漢方)に頼りたい。漢方薬という物もある。漢方薬は患部に直接効くのではなく、患者の病気に対する抵抗力を付けるものだと聞いている。
この辺の、人と病気治療の関係は作物と作物作りの関係と同じように思える。
作物が病気になった、または病気になる前の予防に化学合成された農薬を散布する。害虫に食われた、または食われる前の予防に農薬を散布する。
化学合成された薬品を散布したくない人は、食酢・重曹・焼酎・木酢液等の天然の素材を散布する。またはもともと病気に掛かりにくい品種の種をまく。丈夫な品種の苗を接ぎ木する。
慣行農法は西洋医学・無農薬や有機栽培は東洋医学かもしれない。そして病院では現在東洋医学の治療法も取り入れている所もあるらしいからますます農業とそっくりだ。
僕の教科書「野菜栽培の基礎」には、農薬による防除も書いてあるが、できるだけ農薬に頼らない栽培法をも勧めている。
農薬を使う際は薬を服用するときのように「用法・用量を守って正しく」使う限り問題は起こらないはずなのだ。
作物に農薬を使うことに神経質になっているのは、中国の毒餃子や農薬自殺等農薬の不正な使用法をした事件が過去あってそれが脳裏を離れないからかもしれない。それともう一つ考えられるのは農薬がどのくらい残留し、 人体にどう影響するのかがよくわかっていないからかもしれない。個々の体質によって、またその人の抵抗力によって違いが出るから、自分の場合はどうかと不安になる。
化学薬品が作物の中に取り込まれたとして、作物にとっても有害な物質を排泄する力がどの程度あるのか、共存する微生物がどの程度それを無害化できるのか。その辺の勉強をもっとよくしていきたい。