コガネムシの幼虫の中でドウガネブイブイというのがいる。
ドウガネというのは分かる。金属の銅のように金色に光った体をしているから。ブイブイというのはどんな意味だ。「バブルの頃には彼女も男を随分ブイブイ言わせていたぜ。」といった意味でのブイブイか。おかしな名前だ。
こいつの成虫は小さいころよく見かけた。家の中に入り込んで畳の上で見ることが多かった。小田原では「クソブン」とか「クソブンブン」とか言っていたヤツに違いない。尻から出した糞をそのまま引きずって歩いていることが多いからだ。
近年は畑でも成虫を時々見かけるが、その幼虫を見ることが多い。耕耘機・鍬で土を掘り返しているとかなりの確率でこいつが出てくる。小さくて1センチくらいに丸まっているのもいるし、3センチくらいに丸まっているのもいる。皮が固いので手で取り上げても形が変わらない。お菓子の「明治カール」のように丸まっている。鳥やモグラが好きそうな、たんぱく質の多そうな福々とした体をしている。
去年はこいつの幼虫にサツマイモを穴だらけにされて困った。サツマイモはコメツキムシの幼虫にもやられたが、このコガネムシの幼虫による被害が圧倒的に多かった。もともと虫の多い耕作放棄地の1年目だったから、例年同様に成虫がやって来たのか。それとも未熟のウッドチップを人に勧められて大量に漉き込んだからか。何しろ根をかじるのが好きな幼虫だ。木くずも食べるだろう。
耕耘中、または草刈中等にこいつを見つけるとその場で踏みつけて殺そうとするが、柔らかい土の中にのめりこんで殺せない。固い土の所に移して思いっきり踏みつけるか草刈鎌で切断するかするのが良いが、僕はたいてい隣のYさんの田んぼにほおり投げている。そこは休耕田だし、なんと言っても虫の惨殺死体を見るのが嫌だから。以前鍬の先でこいつを切断していたら体液が顔にまで飛んできたことがあったから。
コガネムシ類幼虫の防除は作付け前の土壌燻蒸剤の注入・または「ダイアジノンSLゾル」の施用。もしくは環境保全型防除としては「バイオトピア」の株元灌注・・・・と教科書にはある。まだよく分からないので今後勉強したい。
とりあえず今年のサツマイモ圃場には「ダイアジノン粒剤」を混入したから、表面のきれいな物が多くできる事を期待している。