中々新しい画期的な発見が出来ないようだ。元々「人間はどうやって生まれたのか、死んだらどうなるのか。」等の大問題をテーマにしているので結論は容易に出るはずもない。地道に一つ一つ正確にトレースする作業を続けて行くしかない。
今回は日本にあるモネの絵。過去何度も見た事があったが、詳細に調べてみるとパッと見とは大分違う内容であった。世の中をボーっとして眺めて生きていると騙される事が多いようである。
白いドレスを着た若い娘二人がボートに乗っている。ボートは後ろ半分だけを描き、それが画面を上下に大胆に二分割している。斜め上から見た図で、画面の下半分に水面に映った二人とボートの影がある。下半分の暗い部分との対比で上半分の白い娘たちと水面の青がより清浄に見える。白と青の他に画面には黒・赤等様々な色がばらまいて置かれている事で画面にメリハリが付いている。
一見すると清浄感あふれるみずみずしい絵と思いがちだがどうだろう。水面に逆さに映った娘たちの顔や身体等に何か違和感が感じられないだろうか。
向かって左の娘の顔はひどくぼやけている。全体の印象の為に細かい点は無視したのだろうか。部分図を拡大し、詳細に見ながらトレースすると上のイラストのようになった。娘の身体のどこからも小さな人間や蛇の形が見えた。両肩には小さな人間が乗せられている。顔も全て人間の身体で出来ており、後ろ向きで出産している人間もあり、その尻から出て来る子供がちょうど口の形を作っている。
左の娘の手袋をした手は蛇であり、緑色の人間を捕まえている。スカーフとかではない。緑色の部分で一人の人間にも見えるがイラストのように二人以上にも見える。
向かって右の娘も小さな人間と蛇で出来ている。蛇が人間を口にする事をあらゆる所で表現している。髪の毛の黒と顔の肌色で性行為をする様子も表されている。人間たちの尻からは大抵子供が生まれ出ている。
ボートの縁を掴んだ娘の左手が分かり難い。何かボヤっとしている。じっくりと見続けるとイラストの様な絵が見えて来た。この左手はどうやら蛇が口先に人間を咥えている様子を表しているようである。
右手の方もおかしい。ボートの縁にあたかもバナナが置かれているようだ。よく見るとこちらも腕が蛇であり、その口先に小さな人間を咥えているようである。この右手の脇の下でまた別の人間(青)を挟んで捕まえている。
右側の娘だけを全体で見るとこんなイラストになる。身体が何体かの人間が重なって出来ている。上半身を作る身体、下半身を作る身体がある。左脇の下でも人間を挟んで捕まえているらしい。
画面下方のボートの影の部分。黒色と血の様な赤色が使われている。非常に分かり難いが、一つの見方としてイラストの様な形が採れた。所々血の色を持った人間たちの群れである。
左下の娘の顔、水に映って変形したにしてもこんな化け物っぽく描く必要があるのだろうか。見るとここも人間が形作っている。
画面最下端。水に映った右の娘。頭の形・肩の膨らみがまん丸で、腕の曲がりが変に感じる。実際にはこんな風にはならないのではないか。詳細に見るとイラストのようになった。その他の水の中の表現は、大蛇が人間を咥えている図があちこちに見られる。普通生贄の人間の山積みは画面下端にあるはずだが、ここではボートの影にそれがあるようである。
画面最下端中央にこちらをじっと見る蛇の正面顔がある。
全体のイラストにしてみるとまた別の人体が見つかる。どこもかしこも蛇と人間であふれている。人間は必ず蛇に喰い付かれている。
この絵は出産が主な主題なのだろうか。やたら出産図が見つかる。全体で見て四体の出産する人間をイラスト化した。
上方赤い女が尻から子供を出している。ボートに乗る左手の娘の帽子がその子供である。これに重ねて大きな青い女が尻をこちらに向けて出産している。右手の娘の帽子がその子供である。
下方赤い女が尻を向けて出産している。この女の体内に左の娘の帽子の影があり、それがまるで子宮内の胎児のようである。大きな青い女が重ねて描かれていてその尻の中に右の娘の帽子の影がある。こちらもまるで子宮内の胎児のようである。
何だろう。この絵の上半分と下半分は違う世界なのか。下が出生前、上が出生後に分かれているのか。よく分からない。
大蛇・巨大蛇を追ってイラスト化した。また別の所に喰われる人間らしき姿が見えてきたりする。正面顔を見せてこちらを威嚇するような蛇もいる。
モネの絵は一見カラフルで清々しい空気感を感じたりするのだが、詳細に見るとおどろおどろしく血みどろで残酷な絵であった。
元絵の一番下中央にこちらを見据える緑色の蛇が見えるだろうか(目を細めて見ると見えやすいかもしれない)。蛇に正面から見据えられるとカエルのように身動きがしづらくなるのかもしれない。これは絵を観る人間に対し威嚇し、洗脳しようと言う行為だろう。
「蛇に似た生命体が人間を創り、食糧としている」・「人間に自分たちの事を神と呼ばせ、奴隷・家畜的労働を強いている」こんな事が名画の中から読み取れる。