名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

ルーベンス 「縛られたプロメテウス」 人間に与えた火とは何か

ギリシャ神話の巨人族の中にプロメテウスと言うのがいる。人間に火を与えた罪によりゼウスによって岩場に縛り付けられ、鷲に毎日肝臓をついばまれ続けると言う責め苦を3万年にわたり受けたと言う。火は人間にとって文明をもたらしたが同時に戦争の武器をも作られることになったとも言う。このプロメテウスの描かれた絵を調べてみた。

f:id:curlchigasaki:20191202180421p:plain

ピーテル・パウルルーベンス 「縛られたプロメテウス」 1611~18年 フィラデルフィア美術館

鎖によって岩に縛り付けられた男が、苦痛に顔をゆがませながら鷲に肝臓を引っ張り出されている。画面左下に松明に点けられた火が描かれている。

人間に火を教えたと言うのは、キリスト教でアダムとイブに知恵を与えた蛇の行いと同じなのか。プロメテウスは天界の他の神から火を盗み人間に与えたと言うのだから、キリスト教での堕天使ルシファーと同じ存在のようにも思える。キリスト教で悪者のように扱われる存在は実は人間にとって味方なのかもしれない。名画の中の人物の手足がしばしばあべこべに描かれているが、真実は一般に教えられているのとは反対なのかもしれない。

f:id:curlchigasaki:20191202180510p:plain

細かい所から順番に見て行く。男の顔、例によって人体の組み合わせで出来ている。その人体は同時に人間を喰う蛇にも見えるように配置されている。男の口には喰われる小さな人間(黄色)がいる。

f:id:curlchigasaki:20191202180549p:plain

画面左下の松明。表現が曖昧で色んな風に見える。とりあえず人体での構成をイラストにした。人の頭の上には人の尻があり、出産を表していると思える。尻は蛇の頭にも見え、人間を襲っているようにも見える。

f:id:curlchigasaki:20191202180634p:plain

松明の右側。男の尻下の衣類も人体の寄せ集め。見える所を忠実にイラスト化する。細かく見ればこんな感じだが、同じ部分を大きく見るとまた違って見えるのだろう。

f:id:curlchigasaki:20191202180716p:plain

男の顔辺りを少し引いて見る。男の身体も小さい人間の集まりである。ごつごつとした筋肉も小さな人間の頭であったり尻であったりする。男の周囲にも人間がおり、彼らは重なり合って性交しているらしい。また尻から子供を産んでもいる。

f:id:curlchigasaki:20191202180803p:plain

その少し上、鷲の部分。鷲の翼は少し大きめの人間である事が分かるが、鷲の頭の辺りが錯綜して分かり難い。特に肝心な、嘴やついばまれる肝臓の辺りはどうなっているのか。

f:id:curlchigasaki:20191202180847p:plain

引っ張り出される肝臓はまるで蛇の頭のようである。鷲のくちばしにも蛇の眼が見える。よく見るとくちばしの間の肌色部分の空間は小さな人間であるようだ。この小さな人間を上下の蛇が奪い合っている。

f:id:curlchigasaki:20191202180927p:plain

画面上部はよく分からない。人間であるような蛇であるようないろいろな形が見えて来る。僕は昔から「お前はボーっとしている」と言われるが、イラスト描いていて何を描いているのか分からなくなって来た。

f:id:curlchigasaki:20191202181004p:plain

画面下端。人間の集まり、所々で出産、性交している物もいる。蛇に喰われている人間もいる。

f:id:curlchigasaki:20191202181050p:plain

全体のイラスト。少しづつ概要が見え始める。左下、青い人が寝たまま緑の人を産んでいる。緑の人は小さな黄色い人を捕まえている。 右下、茶色い人が尻を高く上げて尻をこちらに向けている。その尻からプロメテウスの頭が産まれている。 プロメテウスの左手は体の中にいる人の左足である。右腕や両足はまた別の人が組み立てている。

尻から子供を出す出産の光景が目立つ。

f:id:curlchigasaki:20191202181136p:plain

左元絵。右、蛇を念頭に置いてイラスト化。上方から、下から来る大蛇を黄緑色で描いた。蛇の口先には必ず人間(黄色)がいる。鷲の手先も小さな人間である。一人づつでは無く何人もの人間を同時に咥えている蛇もいる。画面右上の蛇などは交尾中の人間を咥えている。

f:id:curlchigasaki:20191202181229p:plain

右イラストは、性行為を念頭に置いて描いた物。画面中どこもかしこも性行為だらけである。一応背後または上の男を青、前または下になった女を赤で示した(巨人族に男女の区別は無いと思っているが、一応分かり易く)。

真ん中の鷲の頭辺りで左右のペアが交差し分かり難くなっている。右側のペアは後背位で横から見た形、左側のペアは同じ後背位だが少し下から見ている。ここでは男の睾丸や陰茎までもが描かれている。

画面左下の松明の火は、女の腹の辺りになる。プロメテウスの与えた火とは「男女による交配・繁殖方法」であるのかもしれないとも思えてきた。また性行為の快感を「火」と呼ぶのかもしれない。

f:id:curlchigasaki:20191202181316p:plain

またこの絵がこんな風にも見えた(上右イラスト)。眼をうんと細めて大雑把に見ると男の背後に尻をこちらに向けて四つん這いになった女が見える。その性器から男が生まれ出ている。右腕を残して男はほとんど全身が出ている。画面右端に大きな人が見える。まるで出産を補助するかのように男の頭を左手で押さえている。

 プロメテウスが火を人間に与えたと言う神話は、蛇神の中の反逆者が人間に同情し、「男女による生殖行為」で無限の進化の可能性を与えたと言う事を言っているのではないか。それ以前の単一の性2体による生殖では遺伝子が似かよってしまい、例えば一つの病原菌で全滅するかもしれない。それを男女2性で遺伝子の無限の可能性を得て、何が有っても誰かが生き残る。現在の人間世界がこれほど発展し、人間がこれほど増えたのはプロメテウスのおかげであるのかもしれない。蛇神の中にも人間に同情的なこんな奴もいるのだと解釈したい。