名画の中の人喰い蛇

美術館にある名画には蛇の隠し絵がある。その蛇は人間を喰っている。

ルーベンス 「キリストの降架」 絵の前で昇天した少年の行き先

日本人は、キリスト教徒でもないのにクリスマスを祝う。自分の実家は浄土真宗なのに「メリークリスマス」とか言ったりする。日本人は世界の文化の集積地、保存される地であり、元々の各地の文化が滅んだ後もそれが保存されている不思議な国である。何でも良い所、楽しい部分は全て取り入れて吸収してしまう。

ただ、これはどうか。キリスト教がいかにも「悪魔教」である事がこの絵を見ればわかる。最も仏教も元々は全く同じ「蛇神信仰」なのだが・・・・。

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ピーテル・パウルルーベンス 「キリストの降架」1611~1614年 聖母マリア大聖堂(ベルギー・アントウェルペン

ベルギー・アントワープの教会。日本人にはアニメ「フランダースの犬」の最終回の場所と言った方が分かり易い。少年ネロが最期に見る事が出来たのがこの絵。観音扉式になっていて、扉の内側にも絵が描いてある。真ん中の絵と関連がある画題らしい。

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前にも一度調べて、この絵には悪魔の顔が浮き出ているとしたのだが、今回また見てみる事にしたい。同じ絵でも何度も見直す事でまた違って見える事があるからだ。

元絵を画像ソフトで明るくした。

人間の「原罪」を一身に背負って磔になって死んだイエス・キリストを人々が地に降ろす作業をしている。男四人は梯子のようなものに乗って遺体を支えている。布を当てて包むようにして丁寧に下ろしている。別に赤い服の男は下からイエスを受け、支えるようにしている。女たち三人はイエスの足元で嘆き悲しんでいるようだ。イエスの方に手を差し伸べながら目に涙をためている。奥の青い服の、髪の長い女がマグダラのマリアだろうか。

登場人物たちはルーベンスらしい芝居っけたっぷりのポーズを取っているが、絵の人物を人物とは見ず、色の濃淡の変化として見るとどうだろうか。絵全体を目を細めてわざとぼやかして見る。すると別の物が見えて来る。聖書物語をそこに見てはいけない。単純に、自分の目に見える物だけを素直に見る。

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上方から巨大な蛇が降りて来ている。二匹を重ねて描いてある。巨大蛇どもは下端の女たちや赤い服の男を口の中に入れようとしている。イエスはこの巨大蛇の目と目の間、蛇の頭脳に位置する所にいて、食人を指図しているかのように見える。

両側の扉絵も同じように蛇に喰われる人間たちの図が描かれている。

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僕の目には見直しを始めてからこんな風に見えていた。真ん中に大きく見えるのは、角を頭に生やした悪魔の顔。下の人間たちを襲って喰っている。両側面の扉絵もこの悪魔の両手が人間を襲っているようにも見え始めた。

元絵を目を細めてじっくりと見ていただきたい。真ん中に牛かヤギの頭蓋骨にも似た悪魔の顔が見えて来ないか。

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見せ方を変えて、こうならばどうか。

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女たちは目に涙をためて悲しんでいる。巨大な蛇神に噛み付かれて口から血へどを吐いている。彼女たちはイエスの犠牲を悲しんでいるのではなく、自分たちが喰われる痛みによって苦痛の表情をしているのだろう。

血へどと言ったが、おかしな形をしている。口から赤いミミズが飛び出しているようだ。上図真ん中の女の口には微かに見え、左右二人の口にははっきりと見えている。これは小さな人間の身体の一部ではないか。彼女たちは巨大蛇に喰われる被害者であり、小さな人間を喰う巨人と言う加害者でもある。

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このブログ読者にはこの絵がどう見えるのだろうか。天使に支えられて昇天するネロ少年が最期に見る絵として、これがふさわしいのかどうか考えていただきたい。悪魔の腹の中に納まる事が人間の行き着く先であるならば、それは悪魔側の考えではないか。悪魔たちの洗脳を振り切って自分なりの本当の行き先を見つけ出すことが出来るか出来ないかが、人間の課題なのではないだろうか。