医者から処方された薬を素直に飲み続けているのだが、どうもめまいがして常に身体がふらつく。前立腺肥大症の薬だから尿道を広くするため血管も広げるのだろう。いつも眠くて集中力が無い。年末あたりに入院・手術してすっきりする予定なので、それまではこの薬の副作用を受け止めておかなくてはいけない。
マネの絵には犬や猫がよく出て来る。いずれも絵の中で何らかの役目を果たしていると思われる。この絵の中の犬はどうだろうか。
エドゥアール・マネ 「鉄道」 1873年 ワシントンD.C.国立美術館
この絵は以前も見た。画題に「鉄道」とありながら汽車らしきものが描かれておらず、蒸気のような白い雲が何となく駅を思わせているだけの絵である。
右の少女の右手が無い。向かって左側の女の左手は本を掴んでいるのではなく、鉄柵の後ろ側に回っており、少女の片手らしき肉塊を背後の巨大蛇に与えている・・・・とここまでを前回見つけ出した。
今回は女のひざ上の犬に注目してみた。
生まれて間もないような小さい犬が女の腕に顎を乗せてぐっすりと眠っている・・・・ように見えるが、細かく見るとどうもおかしい。耳の形はどうなっているのか捉えられない。前足、後ろ足の存在が全く描かれてない。これは本当に犬なのか。
名画の中の人物の腰辺りには生贄の小さな人間が置かれている場合が多い。これもそうかもしれないと思ってじっと見続けてみた。
女の右手の指は先の尖った三本指であるらしい。左手の指は本を押さえているように見えるが、そう見るとその右側の肌色の部分の表現がおかしい。この指に見えるのは蛇の頭であり、右の肌色部分もそれよりも少し大きな蛇の顔であるらしい。
この犬の部分はイラストのように人間の手ではないか。小さな人間を掴んだ手がそこにあるのではないか。その下にもう一本の手があり、女の三本指が押さえている。その先を肌色の蛇が齧り付いている。
「草上の昼食」では左手前の散乱したバスケット等に、人間の手足が重ねて置かれていたが、ここでも同じような残酷な(人間にとって)表現が隠されているらしい。
全体図。背後の白い蒸気の中に巨大な蛇の頭が見えるだろうか。人物それぞれの頭に齧り付く数匹にも見えるし、画面上半分いっぱいを占める一匹にも見える。
画面真ん中の鉄柵の向こうで女が差し出す肉塊を巨大蛇が口にしている図が見えて来ると思う。女はこの少女の右手だけでなく、別の人間の手も持っていて順次餌やりをするように蛇神に与えているようだ。
その他画面右端に葡萄の房みたいなものが置かれているが、これも他の子の手ではないのか。その後ろにも肉塊に見える怪しげな物が転がっている。
この絵は生贄の人間がバラバラにされて喰われる場面を描いてあるのだ。だから女の表情はこんなにも冷たいのだ。可愛い子犬と幼い少女の鮮やかな青いドレス・・・・お出かけの楽し気な景色を描いてあるかのようではあるが実は全く違う光景が隠れているのである。
時間をおいて再度見直すと別の物が見えて来る。この絵も何時かもう一度見直してみようと思う。