医者に処方された薬を真面目に飲んでいると何故か気力が萎えて来る。尿道が閉じないようにするナフトピジルは血圧を下げ、常にめまいがする。前立腺肥大を抑えるデュタステリドは、男性ホルモンが働かないようにするからか力が出ない、気力が湧かない。こんな薬を飲み続けるよりは手術して肥大部分を削り取ってしまうのが良いのだが、手術入院の為の1週間が取れない。農作業がひと段落して暇になる冬までは何とか自分の身体をだましだましふらつきながらやって行くしかない。
ピーテル・パウル・ルーベンス 「イングランドとスコットランドの連合」 1633~34年 ミネアポリス美術館(アメリカ)
イギリスはチャールズ1世の代になって初めてイングランド・アイルランド・スコットランドの王を兼任したそうだ。スコットランドとの連合を記念してルーベンスにこの絵を描かせたらしい。中央の幼児がチャールズ1世で左右の女性がアイルランドとイングランドを表している。背後の甲冑を着た女性は女神ミネルバで、この三人が王に冠を被せようとしている。手前の天使は武具甲冑に火を付けて燃やし、戦争の終わりを表している。上方の天使はイギリスの国章を掲げている。
この絵の面白い所は、絵自体がイギリスの地形を模している事である。上図右はイギリスの海岸線を描いた物を重ねてみた物である。赤い服を着た女性はアイルランドの形になっており、黄色い服の女性と女神ミネルバが合わさってイングランド・スコットランドの形を作っている。(Google Arts&Cultureの解説にはこの事が書いて無いので、僕の新発見か)
チャールズは戴冠して王様になる。唇は異様に赤く、血を含んだように描かれている。
向かって右の女性、皇太子の手を取り持ち上げて戴冠させようとしているのか。皇太子によって持ち上げられているようにも見える。少し空いた口の中が真っ赤なのは、何かを喰っているのか、血反吐を吐いているせいか。
向かって左の女性、こんな不自然な姿勢で描かれるのは、アイルランド島の形にしたいが為だろう。頬が膨らみ唇が赤いのは何かを喰っているからか。
王冠の方を鋭い目で睨んでいる。この王冠、とぐろを巻いた蛇にも見える。
空に飛ぶ天使がイギリスの天下統一を祝福する? 向かって左の天使は顔が見えないし、右の天使は目つきが悪く、とても祝福している様には見えない。
チャールズの足元にあるのは甲冑・縦・槍・旗であり、天使が持つ松明の火で燃やそうとしている。画面最下端のこの部分がよく分からない。単に武具に火を付けているにしては、松明の火が斜めに走っているのは何故か。武具が何故この位置に置かれているのかが分からない。隠し絵が見えて来ない。
この兜・甲冑が怪しい。どちらも暗い内側部分に何か出っ張った物があるように見えてならない。
この兜・甲冑は人間が入ったままであるのか。甲冑の中に輪切りになった人間の胴体があるのか。
全体図をトレースしてみると少し隠れた絵が見えて来る。チャールズが受け継ぐのは蛇のとぐろ巻きの王冠である。王族と言うのは結局蛇の遺伝子を強く持った者が、その血を薄めないように同族同士で結婚を繰り返す。王族・貴族は蛇神の意志を人間に伝え、蛇神に人間を生贄として捧げる手伝いをする者であろう。人間から見ればいなくても良い存在である。
人間より遥かに大きな蛇が立ち上がって人間に喰い付いている。画面の右側に青灰色の大蛇、左側に赤い大蛇、チャールズの左右にいる女性に喰い付いている。チャールズは二人を持ち上げて大蛇に喰わせているようにも見える。
青灰色の大蛇が画面上部でアーチを描くように、右の黄色い服の女性に喰い付いているようにも見え、またもっと大きな蛇が皆の上に覆いかぶさっているようにも見える。
画面下の方に赤っぽい巨大蛇、画面上の方に青灰色の巨大蛇が見える。人の姿をした者は全て彼らに呑み込まれる。
非常に見えにくいのだが、青灰色部分に男の後ろ姿を見つけた。当然その前には女の尻がある。その尻からチャールズが生まれ出ている。
何だかよく分からない絵だったが、作者の言いたいことは一緒だろう。