名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

ウイリアム・ブレイク 「ヨブの息子宅の崩壊」 程度の低い神の姿・悪魔の姿

旧約聖書の「ヨブ記」の主人公ヨブに興味がある。神に対し何ら悪い事をしていないのに疑いをかけられあらゆる災難を被る男の話である。家族・家・財産をすべて奪われ、皮膚病を患い、友人にも非難される。それでもヨブは信仰心を捨てなかったと言う。

今回の絵はこの物語の最初に近い場面、ヨブの息子の家が悪魔によって破壊される場面を描いた物である。

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ウイリアム・ブレイク 「ヨブの息子宅の崩壊」 1823~26年 南オーストラリア美術館

この絵の背後に神(=蛇型生命体)の姿が比較的はっきりと見える。

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ヨブの息子の家は柱が倒れ、火災も起きている様子だ。ヨブの息子は家の中の女子供を助け出そうとしているようである。彼に手を差し伸ばしているのは姉妹たちだろうか。

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崩壊する家、火も廻っていて混乱の極みである。一番下に横たわるのは既に息絶えた妻か。画面右下には逆さになった女。黒ずんでいるのでこれも死体だろう。女が広げた両手の間に壺のような物がまとめられているがその中には金貨か何かの財産が入っているのかもしれない。

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翼を持った悪魔・堕天使ルシファーが上方に描かれている。両手を広げて火を、また電を生じさせているらしい。

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この絵は本の挿絵として描かれた物で、絵の下に英語の解説がある。得意ではないが和訳を試みると・・・・「(ヨブの)娘と息子は長男の家で会食していた。その時荒野から大いなる風が吹いてきて家の四面を倒し、若者たちを埋めた。彼らは死んだ。」

手前で倒れている女が楽器を持っている事、家の柱がかなり太い事、右の女が財宝を囲ったままである事からして、かなり裕福な暮らしをしていたと思われる。それが悪魔によって一瞬にして壊される。残されたヨブは己の身体以外何もない無一物の存在となる。やがてその身体も病気にむしばまれるのだがそれは先の話。

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この絵をぼかして小さくしてみた。画面の上半分くらいの所に大きな鬼の顔のような物が見えないだろうか。悪魔や息子等の個々の人物像を見ず、背後の雷や煙等の形を画面いっぱいに大きく捉えて、さらに目を細めたりすると見やすいかもしれない。何か恐ろし気な化け物が口を大きく開けてヨブの息子たちを呑み込もうとしている。

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イラスト化すると上図右のようになった。巨大な化け物、その目と目の間に悪魔が乗っている。目と目の間と言うのはその生物の前頭葉部分の脳とも見ることが出来る(隠し絵では大抵内部が透けて見えたり、向こう側が透けて見えたりの表現がされているから)。だから悪魔はこの巨大生物の指令を受けた者または同一物すなわち化身と見ることが出来る。

悪魔は手から火を噴き出しているようでもあり、人間の身体のような物、人間の魂を手で吸い取っているようにも見える。

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次に見えて来たのがこの隠し絵である。男女二組の生殖行為図。繁殖を促す。

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見続けているとこんな風に見えて来た。巨大な化け物の前に別の、やはり巨大な蛇の顔っぽい物がある。そいつの口の前に一匹大きな蛇が胴体をへの字型にくねらせて、右端の逆さの女を呑み込んでいる。下端に横たわる女の頭にも同時に喰い付いているようだ。ヨブの息子はここでは大蛇の頭に片足を乗せ、子供を肩に担ぎ、女の腕を掴んでおり、あたかも大蛇に与える人間を確保している補助者になっている。ヨブの息子も(ヨブも)爬虫類遺伝子を色濃く持った、悪魔とほぼ同類の存在なのだろう。

「ヨブ記」はヨブの信仰心の篤さを書いて人々に神に従うように導こうとする書物である。こういう美談めいた話を掲げる事で人々の感心を引き、その実は神に盲目的に従う事を強制している。人間に魅かれる物を見せて置き、感心させた状態で従わせる。現代のテレビ放送でも、美男美女の繰り広げる物語に魅入らせた瞬間にコマーシャルを見せるのと変わらない。絵画芸術においても人々にとって魅力的な色・形・ストーリー等を見せて惹きつけて置き、その陰に隠し絵で伝えたいことを伝えている。すなわち「お前らは家畜なのだから素直に従っておればよい。」と。

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絵を上下逆さまにしてみたらこんな絵が見えた。

上方から逆三角形の巨大蛇の頭。人間(炎か煙に見える部分に隠されている)を口に入れているようだ。

下方からも巨大な蛇。悪魔の翼がこの蛇の口の中の暗い部分となっている。ここでは悪魔は喰われているのか、鼻の先にぶら下がって手伝いをしているのか。

 

旧約聖書の神は度々人間を試して滅ぼそうとする。人間を創造したほどの「全知全能」の存在が創ったならば人間がそんな不完全な生き物ではないはずである。旧約聖書の神の上に全き存在がいて彼らはそれ以下の程度の低い存在であろう。彼らは地球と言うちっぽけな星で人間を奴隷化・家畜化しているだけの小さな存在であろう。

今コロナ騒動とかで人間を恐怖でコントロールしようと躍起になっている。しかしいずれ彼らもより大きな存在により罰せられる日が来るに違いない。