フェルメール 「牛乳を注ぐ女」 1658~1660年頃 アムステルダム国立美術館
この有名な絵にも不自然な点がいくつかあるので調べてみた。
まず、このたくましい体を持った女のエプロンと言うか腰巻と言うか腰に巻いた青い布。汚れを防ぐための布としては綺麗な鮮やかな青色であり、その腹の部分が変に膨らんでいる。
その部分を切り取って拡大、画質調整してみるとやはり大きな蛇が腰に巻き付いていた。腹を三周ほど巻いてから尻から前に回り下に向けて頭を見せているようである。直径10センチ以上の太い青蛇である。女のへそのあたりでは同色の小さな蛇が頭を揃えて並んでいる。大きな太い蛇は同時に小さな蛇の集まりにも見えるように描いてある。
女の足は、赤い大きな蛇が並んでスカートになっていて見えない。
女の手指は蛇の連結であり、特に右手の親指の所で蛇が大口を開けて前の蛇を咥え込んでいるのがよく見える。左手の人差し指も同様に大口を開けた蛇が前の蛇を咥えている。よくは見えないが両手共に指は三本だろう。
牛乳ポットの中に大きな蛇の頭が覗いている。暗い部分だけを明るくしてみると牛乳ポットの中に濃いグレーの蛇が入っていて、顔を出している。
牛乳自体も白蛇であり、ポットの端に頭を見せている奴が細い白蛇を咥えている。
女の顔を画質調整し、イラスト化したらこんな気持ち悪い絵になった。
女の眼は伏し目がちかと思ったら意外に黒目が大きい。その黒目は黒蛇の顔である(より拡大するとそこに蛇の両目があった)。口から黒い蛇・白い蛇が飛び出ている。
テーブルは蛇だらけである。バスケットは多数の蛇の連結で出来ており、テーブルに直に置いてあるパンも蛇の頭である。右下に流れる青い布も蛇であり、5~6匹いる。皆バスケットの方に頭を向けており、ここに向かって集まって来たかのようである。後ろのパンの形の蛇の頭もバスケットの中を狙っているかのようである。
そのバスケットの中にあるのは何だろう? パンと肉? 人の頭ほどの大きさのパン・人の腕か足くらいの太さの肉、誰が食べるのだろうか。この絵は朝食準備をしている女中さんの絵ではないのか。だとするとこんなデカいパンとこんなデカい肉をだれが喰うのか。
今まで見てきた名画は、蛇神たちが人間の体に集まってきてそれを喰おうとしている図ばかりだった。とするとこのパンと肉はひょっとして人間の断片ではないのか。
大きなパンが人間の頭蓋骨であるかどうかはよく判らないが、左の肉の方は人肉に見えないことはない。一部皮膚層が剥がされて赤い筋肉が見えている足か腕の肉?
女の背後の足元に不思議な物がある。四角い木で出来た箱であるが、中に何か入っている。箱の周りの地面には白い骨片のような物が散らばっている。手前にあるのはメスのようなナイフか?
この箱の中の物、ロボットの顔のようにも見えたが、そのロボットの左目に見える黒い丸はよく見ると蛇が口を開けてこちらに向いて威嚇している絵が識別できた。だからこの黒丸を無視してこの形を見ると、人の足裏に見える。指先を左側に隠して足裏をこちらに見せて人間の足首が箱の中に入っているのではないか。
これと同じような箱を名画の中に見た事がある。
上はレンブラントの「(天使のいる)聖家族」(1645年 エルミタージュ美術館蔵)の部分拡大図である。聖母の足の下にある木の箱はこれとそっくりではないか。レンブラントはフェルメールと同じオランダ人で、19歳年上の画家であるからその影響を受けていないはずはない。レンブラントのこの絵の箱の中には人間の足首が入っている(曲げた足指を右に向けて足裏を見せている)。周りの地面に骨が散らばっている。そして右端には炎の色をした蛇が赤い肉を喰っている。
故にフェルメールのこの絵の箱にも切断された人間の足首が入っていると判断する。
大岡昇平の小説「野火」に、先の大戦中の兵隊による人肉食が扱われていたが、その中で人間の足首だけはどうしても食べられず、喰い残してそこらへんに捨ててあったと書いてあるのを記憶している。この箱の中の足首もそれと同じ「喰い残し」ではないか。
テーブルの上のバスケットの中には人間の肉があり、それを目指して蛇どもが集まってきている。さらに大きな蛇が背後の壁を伝って上から垂れて来ている。女が準備しているのは蛇神に捧げる人間の肉なのだ。
女の胴体は蛇に絞められ、足が見えないが、この肉は女自身の足の肉の可能性もある。
また、箱の後ろの壁に貼られたタイルの絵も意味深であり、何かを示唆しているはずだが、まだ判らない。