茅ヶ崎市芹沢では、小出川沿いに植えられた彼岸花を観に、たくさんの人が散策している。ちょうど見頃だろう。
この彼岸花の赤い花はなぜ血のような赤い色なのだろう。
僕は戦争映画や戦記小説を読むのが好きで、最近も日中戦争とかソロモン沖海戦とかインパール作戦とかに関する本を読んでいるが、彼岸花を観ていると、戦争で亡くなった日本人の鮮血が地下から吹き出しているように思えてならない。
国の為、家族の為と信じて戦い、死んでいった日本人達は忘れられないように、年に1回地下からメッセージをくれているのか。
僕は昭和30年生まれだから、テレビ等を通じてアメリカの文化にどっぷり浸かって親米的に育てられ、日本の戦争遂行者は全て否定するように教育されてきた。父に対しても高校生の時くらいまでは、戦争で人を殺してきた罪のある人間のように思っていた。しかし最近は大分考えが変わってきた。
戦死した伯父(母の二人の兄)の写真が実家にあるが、彼らの事について誰も語ってくれないので、自分で調べてみた。
芳蔵伯父は陸軍。大陸で多勢の中国軍に向かって率先して突撃して、敵の将校を倒し、その時の負傷が基で病死している。この伯父の勇敢な戦いぶりを称えた手紙が戦友や部隊長から来ていて、それが残っている。
孝平伯父は海軍。当時の最新鋭空母「蒼龍」の機関兵(確か曹長)で、有名なミッドウェーの海戦で米軍の航空機に沈められた。
(父は戦争では生き残ったが、中国戦線から南方に行く輸送船が沈められ、九死に一生を得、飢餓と戦いながら戻って来た人だ。)
国の為に命を落とした伯父たちの血の上に自分たちは生きている。せめて彼らの事を忘れないようにしたい。実家に残っている手紙・陣中日記・写真等をいつか整理してみよう。記録としてどこかに残したい。