絵は、成功した接ぎ木苗の接続部分と、切断されたムカデの後ろ半分。
60株接ぎ木して43株がうまく接げた。台木「ミート」に穂木「とげなし千両」、ナスの野生種と食料用ナスを連結する事で、生育旺盛な病気に強い接ぎ木苗が出来上がった。遺伝子の近い品種同士の2つの命が、それぞれ根と芽を分け合って利用する。水分・栄養分を通す茎は途中で接続され、共有する。2つの命が1つになる事が不思議でならない。
一方ムカデ。培養土の袋の下に潜んでいたので、移植ごてで無条件に半分に切ってやった。その後2日くらいして同じ場所を見ると、身体の後ろ半分がそのままあったが、突っつくと驚いたことにまだ死んでいなかった。脚を動かしてゆっくり前進する。前半分の身体は無くなっていたが、それはそれでどこかへ逃げて行ったのだろうか。後ろ半分の身体だけで生きているという事はどういう事なのだろう。命が分割されたのか。他にもプラナリアやコウガイビルのように切断されてもそれぞれの部位が生きて行く事が出来る生き物は知っているが、理解できない。
身体は単なる命の入れ物であって、精神そのものは別次元の存在で、人知の知れない所からやって来るものと考えるしかないようだ。