風が強いのでコカブのトンネルに漁網を被せようとした。漁網は近所の人からもらった物で、畑の納屋に丸めて置いた物だ。納屋には米ぬかボカシ等ネズミの好きそうなエサも置いてあるからそれを狙っていたのだろう。ビニールトンネルの上にそれを広げると野ネズミの死骸が網に絡まっていた。
まだ生きているように生々しい。頭から尻まで4センチくらいの小さな奴で、丸い頭がちょっと可愛らしいと感じた。コイツは以前米ぬかを盗み食いした憎らしい奴らの子孫なのだろうが・・・・。
野ネズミは何処からでも入ってきて農作物を食い荒らす。研修親の〇さんの育苗ハウスにもいて、野菜の苗や米ぬかを齧っていた。モグラの開けたトンネルから入ってくるらしい。〇さんはハウスの中に粘着シートを使ったネズミ取りの他に、おとりとしてネズミの好きな花の苗(何という花か名前は忘れた)を食われたくない苗のそばに置いてあった。
迷惑なネズミだが、死んでしまえばもう憎くない。網に張り付いたままにしておいた。鳥が後始末をするだろう。
自分も死ぬ時はあるいはこんな無様な死に方かもしれない。エサを漁りに来てそこに置いてあったネットに絡まって逃げ出せなくなって・・・・というような。そしてそのままミイラになるみたいな。
でもそれはそれでいい。どこでどんな死に方をしようと、問題は死を迎える自分の姿勢が前を向いているかどうかだ。意識の上で自分が良い方向に向かっているのなら、中途で死ぬのもいい。