名画の中の人喰い蛇

美術品が教えてくれる命の意味を農作業しながら考える。

北斎 「凱風快晴」 赤富士は人間の血の赤色を表している

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葛飾北斎 「冨嶽三十六景 凱風快晴」 1831~33年

スペンサー美術館(アメリカ)の版を選んだ。

北斎の代表作であり、誰でも見た事がある作品だろう。「凱風」とは「夏に吹く柔らかな南風」の事だそうで、朝日か夕日か分からないが山肌を赤く染めた富士が画面いっぱいに描かれている。裾野に樹海、頂上付近には夏の富士にしては不自然な残雪がある。晴天の空には秋空の象徴であるいわし雲がある。この絵は何だろう? 

昔から教科書等で目にする事が多かった絵だが、考えて見ると不自然な要素が多々ある事に気付かされる。毎日のように富士山を見るがこんな急角度の山ではないしこんな赤い山肌は見た事が無い。夕日の照り返しにしては空は青い。季節も時間も超越した観念上の富士と思われる。人々に大事にされ続けて来た訳は「私にはこんな風に見える」と自由奔放に描いた作者の心の中の心象風景とも言うべき所に共感を抱かせるからなのだろうか。

僕自身も多くの人がこの絵が名画であると言うのでそう言う物かと何となく思っていた。山肌の赤のグラデーションが綺麗だとか、空の青とのコントラストが際立っているとかの感想を持ち、皆が崇拝する富士山はこんな風に山頂が急傾斜に描くとありがたみが増すと思うだけである。この絵に感動するとかそう言う物はあまりない。

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山肌の部分のコントラストを強調するとこんな絵が見えだした。右のほうに人の眼や頭の形が見えると手足もそのあるべき位置に見えて来る。今までに検証してきた名画の中の人体を考え合わせるとこうであろうと思い目を凝らすとこのイラストのように見えた。微かな陰影をトレースしながら時間を掛けて見続ける、必ず隠し絵があると思って見るとまた次の人体が見えて来る。その人体は同時に大きな蛇の顔であったりもする。

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同じ部分を別の見方で見るとこんな風なイラストになった。人間の出産風景である。上のセックス場面と同時に隠れている。大蛇が人間に喰い付く絵にも見えるから計三種類以上の光景を同時に描いてある。

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山頂には人間のセックス場面を三種類ほどの形で捉えられた。不自然な残雪はこれら人型の輪郭になっている。また赤い山肌の中に紙の皺にも見える白い線があり、この線も人型を形作る線の一つになっている。残雪の白い点は人間の眼になっている。時には残雪の形が男性器だったり、その先からほとばしる精液だったりもする。

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いわし雲の中の細かい切れ目等を繋いで行くとこんな絵が見えて来た。ちょうど新聞上の写真がドットの連続で出来ていて遠目に見るとその物に見えると言う手法を思い起こされる。眼を細めて見るとその形が少しずつ見えて来る。手を動かしてイラスト化して行く過程で描いたり消したりする中でまた形が判明してくる。雲の向こうの青い空にも濃淡があり、それも併せて形が取れる。

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画面最下段、右寄りの部分に横たわった人間の顔や身体が見えた(上図中段イラスト)。大蛇に喰われる人間たちである。同時にそれは人間の尻から生まれる子供たちの図でもある(上図下段イラスト)。

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左下の樹海はこんな風に見えた。

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左が元絵、右が全体のイラスト。人間が至る所でセックスをしている。また同時に出産している。食糧として、家畜としての人間が増産に励む事を奨励する絵である。

この三角構図の単純化された絵の中にこんな隠し絵があったとは我ながら知らなかった。驚いている。

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大きく見ればこんな絵も見て取れる。左は二人の人間が並んで出産している。右では富士をまたいだ人間が複数の赤ん坊を産み落としている。

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参考のためにもう一度元絵。

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空からは巨大な蛇が降りて来て人間を喰おうとしている(上図左)。これは画面上に非常に微妙な陰影の縦線があって、それを辿るとこうなったと言うイラストである。

全てをその身体の中に包み込む巨大な蛇神の王者(上図右)。

「赤富士」の赤は人間の血の赤であった。