名画の中の人喰い蛇

美術品が教えてくれる命の意味を農作業しながら考える。

エルグレコ 「受胎告知」(ビルバオ美術館) セックス・妊娠・出産の露骨な表現

Google Arts &Cultureを見ていて興味深い作品を見つけた。

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エルグレコ 「受胎告知」 1596年 ビルバオ美術館(スペイン)

大原美術館のそれよりも6年ほど後の作品である。縦約114cmと小さめの物で、プラド美術館の縦315cmの物の習作であろうか。大原美術館の物よりも上方に楽器を演奏する天使たちが描き加えられており、より劇的な絵になっている。

ただこの絵、あまりにも露骨な性表現に満ちており、まともな美術館で保管されているのが不思議に思えるほどである。受胎の告知では無く、人間の性行為から射精・受精の瞬間から出産までを同時に描き込んである。

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画面上部にいきなりこんな画像が見えた(上図右イラスト)。後背位で性行為をしている男女が描いてある。天使たちの群像を繋げて大きく見ると見えて来る。上の男は女を手でしっかり捕まえて顔をこちらに向けながらセックスをしている。その結合部分にはより小さめの天使がやはり同じような格好で性交をしている。この天使が持つ楽譜だか聖書だか分からない本は男性器であり、その先からほとばしる精液が描かれている様である。

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聖母マリアと天使ガブリエルの見つめ合った視線の真ん中には子供の頭のような物がゴロゴロしている。上からこぼれ落ちるかのようだ。生れ落ちる赤ん坊だろう。

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画面最下端にの右側にはガブリエルの乗る雲がある。この雲は丸まった女体であり、ガブリエルの右足はその女性器から出ている。

中央にあるのは、裁縫道具と見せて蛇神への生贄の祭壇である。小さな人間が山盛りになっている。ここでもその人間たちが後背位の体勢を採っているのが面白い。胎児か赤ん坊に見える部分もある。文字のある所の下にウサギに見える部分があるのは、ここは子宮内であり受精後生物の進化を辿っている事を示しているらしい。

その後ろにあるのは百合には見えない何らかの植物らしい。白い雫が上から落ちて来ているように見える。これは精子卵子接触して授精する瞬間を描いてあると思える。

画面上の方で性交をし精子を放出し、それが画面下に落ちて卵子に出会い、授精・着床し出産する、この手順が上から順に描いてある。

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マリアの身体の中に隠れた人間もセックスしている。背後の男(薄緑)は右手をマリアの右手として露出し、抱えられる女は左手をマリアの左手として露わにしている。

(水色の人間は見間違いかもしれないと画像をここに掲げてから気付いた。右側の青い人間はどうなっているのかよく分からない。ここでも二人がセックスしているかもしれない。)

足元に見える二人も重なって交わっているようである。

マリアの処女懐胎は嘘である事が示唆されている。

マリアの外套自体が菱形の女性器になっている。そこからマリアが生まれ出るかのように飛び出ている。

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ガブリエルの身体も人間で出来ている。下の尻を見せる女は出産しているようであるし、股下に彼の男性器がぶら下がっているようでもある。上半身は右の翼を下半身とする人間が隠れていて、彼の両手を提供している。この人も尻から子供のような物を出している。

左の翼・両足先は小さな人間で出来ている。

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左が元絵、右が全体のイラストである。画面のあちこちでセックスをしている。全てバックからである(バックが動物としての人間の本来の正常位なのだろう)。

上から精子が降って来て卵子と授精し、子宮内で育まれ人間として生まれる。この繁殖の過程が画面の至る所に描かれている。

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上図左。何ともえげつない、便所の落書きのような絵である。この絵の至る所に男女の生殖器が見付けられる。マリアは女性器であると共に男性器でもある(多分性別が無い存在なのだろう)。ガブリエルは尻に大きな女性器を付け、男性器の雲に乗っている。

画面上三分の二くらいに大きな女の尻が見える。女性器をこちらに見えるように股を大きく開き顔をこちらに向けている(青い輪郭)。その女性器から子供の頭が無数にこぼれ出て落ちている。

画面右上から大きな男性器が斜め下に向いている。その先から白い鳩と共に精液が噴出し先ほどの女性器に降りかかる。そして精子は下の卵子と・・・・。

エルグレコが人間ならばこんな露骨な表現はしないだろう。

上図右、蛇神のイラスト。大きく口を開けガブリエルに噛みつく巨大な蛇、マリアを襲う巨大な蛇(黄色の輪郭)、上から降りて来た巨大蛇がたくさんいて全ての人間を呑み尽くす。画面全体を覆う巨大蛇(青い輪郭)がその蛇たちもろとも呑み込む。

 

この絵では人間を創るのに特別な器具が用いられてはいない。ごく普通のセックスを推奨している。マリアも普通の性行為をして子供を産む存在であり、以後の人間の母となったらしい。聖書の聖母とは別の生き物が聖母の姿で描かれているようである。