名画の隠し絵

美術館にある名画には隠し絵がある。それは巨大な蛇の形をしており、人間を喰う姿が絵になっている。

ティントレット 「天の川の起源」 神話の神々も結局喰われる

炎天下での農作業がつらい。過酷な労働をしなければ生きて行けなくなっているのはこの世を支配している者の仕業であろう。

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ティントレット 「天の川の起源」 1575~80年 ロンドン・ナショナルギャラリー

夜空に見える天の川が出来たのはこういう理由によると神話が伝えているーーーー全知全能の神ゼウスが女に産ませたヘラクレスに乳を与えようと、妻の一人ヘラの寝ている所に行ったが、怪力ヘラクレスの乳を吸う力の強さにヘラは痛がって起き上がり、彼を突き飛ばした。その時飛び散った乳が天に昇って天の川になったと言う。ヘラは最高位の女性神であり、その乳には不死身の力が宿っていたのでヘラクレスは伝説の英雄になったーーーー。画面上にはゼウスを表す「雷を掴んだ鷲」・ヘラを表す「二羽の孔雀」が描き込まれ人物の特定が出来る。

ーーーーと言う事なのだが、この絵も神話に画題を借りた「人食い蛇」の絵であろう。

そもそもヘラのベッド、あまりに乱れすぎていないか。ヘラクレスにいきなり乳を吸われその痛みでベッドの端から転げ落ちているにしても、こんな寝室の光景は無いだろう。足元の布切れは何でそこにある? ゼウスを表す鷲の掴んでいる「雷」はクワガタムシのようだ。躍動的な画像だがそれぞれの人物が何故そこにそんな体勢でいるのか理由が分からない。頭の中に疑問符がいっぱい付く絵である。

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左から「ヘラ」・「ヘラクレス」・「ゼウス」の顔。女性の最高神・神話の中の英雄・全知全能の神の顔であるはずだがどうもそれらしくない。ヘラは目の中がほとんど黒目で死体のようである。ゼウスは普通の人間のような平凡な顔であり、ヘラクレスに至っては目も口も描かれて無い。

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四隅に飛んでいる天使たちの表情は暗い。それにみな首の付き方が不自然である。切断された生首がそこに置いてあるとしか見えない。

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乳飲み子ヘラクレスの身体は蛇に占領されている。頭は胴体と繋がってないからこの頭は大蛇の顔であるらしい。

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ヘラの頭も少し左にずれている。手先・足先とこの頭だけが本物でその他は大蛇で出来ている。空の中に巨大蛇が見え、そいつが彼女の頭や手を咥えている。両足も大蛇に齧られている。

ヘラの右手先はイラストのように伸びて変形し、天使の羽のように見せているのか。

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ゼウスの胴体は長すぎる。頭が手前に来て足が後方にあるのだから遠近法で実際はもっと短いはずである。これは腹の所で切断されている事を意味している。赤い大蛇に巻き付かれて宙に浮かんでいる単なる男であり、蛇に喰われている人間に見える。神の姿とは思えない。

背中に小さな人間が見える(イラストで黄色くした)。彼は巨人族であり、小さな人間を過去に喰っている事を示しているのだろう。

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ヘラの足元の布切れがいかにも不自然であり、足の間の白いシーツなどは大蛇に見えたのでトレースしながら調べてみた。案の定ここには大小さまざまな人間が山になって積まれていた。遠景の空にも横たわった人間がいる。すべて蛇神に捧げる生贄の人間であろう。

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絵全体の下半分。孔雀の胴体にも人間が隠れていた。天使の翼の先はみな小さな人間である。

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上半分。ゼウスの纏った赤い布には小さな人間がこれだけ張り付いていた。これはゼウスに巻き付いた赤い大蛇が過去呑んだ人間たちであろう。

左上のもくもくとした雲の中の人間はエジプトのミイラのように白い布に包まれているらしい。白布で人間を包んで捧げるのが正しい生贄の作法なのか? 彼らは上の大蛇に咥えられ、空に連れ去られようとしている。

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全体のイラスト化。神話とは関係なく、人間が蛇神に喰われている図である。ヘラ等の神々も例外ではなくやはり頭や腕・足を千切られ呑まれる存在である。

生贄の人間に大きいのがあるのは、神々の共食いを示唆しているのか?

この世界は喰い・喰われの生存競争だけであるとこの絵は教えている。人間も喰われる存在である事をしつこくしつこく語り掛ける。

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画面に散りばめられた生贄の人間たちを喰っている大蛇のイラスト。

左が小さく見た場合の大蛇たち。ゼウスの身体に巻き付く赤い大蛇・ヘラの股下から這い出している白い大蛇がいる。四人の天使にはそれぞれ喰い付く大蛇がいる。ゼウスは蛇に巻かれ空中に浮かんでいるのであって飛んでいるのではない。ヘラは両手両足を蛇に持っていかれてこういうポーズをしているのであってその体勢は自分の意志ではない。

上図右は大きく見た場合の蛇神の様子。画面の四隅から迫る巨大蛇が画面内のすべての生贄をその体内に取り込む。