名画の中の人喰い蛇

美術品が教えてくれる命の意味を農作業しながら考える。

浅井忠 「縫い物」 日常の生活を描いた物では無い。

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浅井忠 「縫い物」 1902年(明治35年) ブリジストン美術館

穏やかな日常の光景と見せて実は恐ろしい食人を描いた作品をまた見つけた。浅井忠がフランス留学中に、パリの婦人を描いたこの作品である。

美しい婦人が多分部屋の中で縫い物をしている。長いスカートをはき、大きな靴を履いている。肩にショールを巻き付けている事からしても寒い季節なのだろう。あまり金持ちそうではない。一見庶民的な婦人のありふれた日常と見える。

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この婦人の青いスカートの中にこんな物が見えた(上図下イラスト)。

スカートの左端の影の部分に人の頭のような物が見え、右側には人の足のような物が見えた。死体が転がって後ろに隠れていると思い、部分拡大図を取り、丹念にトレースしてみるとその作業途中から次々と人間の身体が見えて来る。スカート上の微妙な陰影を繋げると間違いなく人体であった。しかも一体ではなく数体である。右端にちらりと見えるのは人間の切断された足のその切断面であるらしい。衣服の微妙な陰影で隠された人体が見つかるのはダヴィンチの、例えば「聖アンナと聖母子」の場合と同じである。スカートの皺は同時に大蛇の顔をも表しており、全て下方に口先が向いている。

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下方の床面、婦人の足元にもこんな物が描かれている(上図下イラスト)。やはり人間の死体が辺り一面に転がっている。非常に微妙な陰影だが長い時間見つめ、トレースして行くと次第に見えて来る。スカートの下端の大蛇や靴の姿を装った大蛇がこれらの人間に口を付けている。

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婦人の手の辺りを拡大し、暗い所を明るく変換するとこんなになった。色は全く変えてないのだが手が所々真っ赤である。右手の親指辺りと左手全体は血に染まったように赤い。

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縫い物の布の下端、婦人の膝の上に人の手のような物がある。白い布とは全く違う肌色の物である。

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婦人の顔、色を変えずにコントラストを強調すると非常に赤くなる(上図右)。特に口は血の赤い色である。

この女は膝元の人間の手を両手で細かくさばいて喰っているのではないか。

ムンクの「継承」を思い出す。それはよりはっきりと人の手を喰っている女の絵であった。ラトゥールの「悔い改めるマグダラのマリア」は髑髏の皮を剥いて喰っている女だった。

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女のスカートの、先ほど見た所より上にも人間の身体があった。スカート全体が生贄の人間を積み重ねた物になっている。ショールは女の身体に巻き付いた大蛇である。

女自身も周りにいる大蛇に喰われている(上図左)。左手に喰い付くやつ、頭に噛みつくやつ、その他女の周り中のやつに口を付けられている。

また大きく画面全体を見れば、こんな風に見えた(上図右)。女に喰い付く巨大な蛇にかぶさったさらに多くな蛇がいて、そいつは女の身体全体を呑み込んで画面下方の生贄の人間たちを喰っている。

 

実は今朝方姉の一人が亡くなってしまって、死に付いて考えている。六人いた兄弟の内の三人が死んだわけで、自分の死もそう遠くないことを思わされる。

人間死ぬ時はこんな名画の中に隠された生贄のようになるのだろうか。いや生贄になるのはほんの一握りの人間だけだろうとも考えている。大半の人間は訳も分からずに生まれ、死んで行く。死んでまた生まれの繰り返しをしながら修業し、次第に次元の上昇をし、いつかは最上級の次元すなわち宇宙の唯一の存在に吸収統合されるのだろう。その間に邪悪な蛇神に喰われる事もあるかもしれないが魂だけは自分の物として保って行けば良い。

悪魔の蛇神に自分の魂を売り渡し、現生の地位・名誉・財産を得ようとした者は、特殊な技能を授けられ歴史に名を残しはするが次元上昇が遅れるのだ。天才画家と言われる者たちは今頃より下層の世界で苦しみの多い生を送っているはずだ。

この世には人間より遥かに大きく、力が強く、能力もある生物がいる事が分かってきた。そいつらが人間を食糧としているらしい事も分かってきた。しかしやつらにも人間の魂は容易に奪えない。魂・心・自我をしっかり持っていれば何があっても大丈夫だろう。たとえ魂の入れ物である身体が喰われて無くなってもそれは無くならないはずだ。