名画の中の人喰い蛇

美術品が教えてくれる命の意味を農作業しながら考える。

ブリューゲル「盲人の寓意」 真実が見えない自分たち

ピーテル・ブリューゲル 「盲人の寓意」 1568年 カポティモンテ国立美術館ナポリ) 

f:id:curlchigasaki:20190303160137j:plain

ブリューゲルの絵はことわざに因んだ寓意画が多くあるが、その中の一つ。盲人が別の盲人を頼って導いてもらえば、道を外れ共に転び池に落ちてしまうと言う事をそのまま絵にしてある。

この作品の中に「巨大蛇の食人」の光景が隠し込んである。

例によって作品の最下段に何やら怪しい絵が隠れている。小道の微妙な陰影の中に生贄の人肉が置かれている。

f:id:curlchigasaki:20190303160153j:plain

右から数えて二番目の男の足元に人間の生首のような物が転がっている。丸印を付けたが、男の股下のそれは実にリアルである。少年のような顔がこちらを向いて頭を右にして転がっている。もう一つの生首は男の尻の向こうにある。仰向けになって頭を向こうに向けている。こちらは土と同化するほど劣化が進んでいるようで大分黒ずんでいる。

f:id:curlchigasaki:20190303160209j:plain

画面右下部分、盲人たちの歩く道をイラスト化しながら隠れた絵を探ってみたら上図のようになった。二番目の男の足元だけではなく、道全体に人体が折り重なるようにしてある。盲人六人分だけではなく、より多くの人間たちが生贄になっている。すでにどれがだれの足やら手やら分からないくらい複雑に絡み合っている。池の中にも人間の下半身が見える。

f:id:curlchigasaki:20190303160228j:plain

画面左下の道部分も同様にして見ると、こんな風に見えた。道の手前の白い崖部分も白い人体である。尻の二つの山が見えるし、切断された胴の断面も見える。

f:id:curlchigasaki:20190303160245j:plain

画面を全体的に見ると蛇神がこの生贄の人肉を喰いに空から降りてくるところが見えてくる。背景の樹や建物を巧みに利用して半透明の巨大蛇神が隠れている。上から数匹、左右から一匹ずつのそいつが見て取れる(イラストではその輪郭を色で分けて示した)。蛇神たちは盲人たちに口を付けるだけでなく、地面に置かれた人体にも口をつけ、人間を喰う事を示している。

f:id:curlchigasaki:20190303160310j:plain

六人の盲人の顔を並べてみた。眼玉がなかったり、それがあっても白目をむいて見えてなさそうだったりする。

所詮は自分もこの盲人たちと大して変わりが無い。人生という暗闇の中で他の盲人の言う事に従って行動し、共に転び池に落ちる運命にあるのかもしれない。

本当に真実は教えられてないのだ。だから洗脳された目に見える物も別の見方をすれば本当は別の物なのかもしれない。自分の眼で見えた物こそ真実だろう。たとえそれが信じられないくらい残酷な運命であったとしても・・・・。

 

人間の肉体は有機物で出来ており、死ねば有機物に帰る。その魂は別で、帰るべき所に帰る。帰る所が森羅万象全ての魂の集まる所であるならば何ら恐れる事はない。そこが未知であると言う事で恐怖が発生するから少しでも知っておきたいものである。