名画の中の人喰い蛇

美術品が教えてくれる命の意味を農作業しながら考える。

ミレー 「種まく人」 喰われた人間の増産

ミレーの代表作を見る。

ジャン・フランソワ・ミレー 「種まく人」 1850~51年 ボストン美術館

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山梨県立美術館にも同名の作品があり、このボストンの物かどちらかがサロン入選作だというがそれはどうでもいい。ミレーの作画の真意を探りたい。

農民が大地に種をまく。服装もみすぼらしく貧乏そうである。足には藁を巻いているのか。農地自体も石や何かがごろごろしているやせた土地であるらしい。しかも耕作しにくい斜面地である。こんな畑とも思えない所に種を乱暴にばらまいている。農業を営む者としてはこんなやり方で育つのだろうかと心配になってしまう。種から苗になるまでは神経を使って大事に育てないとだめだろう。赤ん坊と同じでその時期だけは大事にしなければうまく育つ確率が非常に低いと思うのだが。

この作品は昔から日本人に好まれていて大勢の人が穴のあくほど見てきたはずである。しかし一般には画素の荒い印刷物でしか見られないし、本物が来日することがあったとしても、美術館の中の大勢の一人として、縦1メートルばかりのこの暗い画をじっくり落ち着いて検討することが出来る人はあまりいなかっただろう。まして今のように高解像度画像をPhotoShop等で画質変更して見る事が出来た人は多くないだろう。僕のような素人が簡単にそれができるようになったのは喜ばしいことである。

ただ絵の中に恐ろしい真実を発見してしまうと戸惑ってしまう。

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画面右下、男の右足の先の地面である。そこに何やら怪しげな物がたくさん転がっている。時間を掛けてトレースしながらイラストにしたら上図右のようになった。骸骨がごろごろ転がっている。半分地面に埋まった身体も見受けられる。

こんな風に見えるのは僕だけだろうか。特に手前の仰向けの死体と上の方の横倒しになっている死体はわかりやすいと思う。その他は時間を掛けて何度も視点を変えながら見ていった結果を絵にした。骸骨が同時に蛇の顔にも見えるように描いてあったりするので判別が難しい。いくつかの蛇や骸骨が集まって別の大きな蛇になっていることもある。

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画面左下、男の左足の下にも人間の死体が埋もれている。前に出した右足が踏み付ける形で、肩と後頭部をこちら側にして背中を見せている人間がいる。左右の足の真ん中に突き出た地面のこぶのような物は人間の右肩であるらしい。頭頂部をこちらに見せている。この人の手や身体も土に埋まってはいるが半分ほど見えている。種をまく男の後ろにした左足の所に太い骨が置いてある。もしくは足か何かがあってその肉から突き出ているのか。

右足の右に別の切断された人間の足が転がっているように見える(これはちょっと自信がない)。

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種まきはもっと丁寧にしろと言いたくなってしまう。それはさておき、この男、表情が変だ。

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眼がうつろで口が半開き。しかしよく見ると口から何か出ている。赤い蛇が顔を見せているのか、赤い血が口から噴き出しているのか。その右目は大きく見開かれ断末魔のような表情である。どうやら体中蛇に巻き付かれ、千切られ、喰われているのだろうと想像できる。

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この作品を調べるのは二回目で、前回はこの男が勃起したチンチンを握りしめている事を発見した。何回見てもその状態は同じで、しっかり握っている。男の指は人差し指から薬指までの三本しかなく、その下に男性器の竿部分が見えている。睾丸も透けて見える。種を入れた布袋自体も大きな睾丸状になっている。

 

今回高解像度画像を調べて気付いたのは、男のこの手から牛の胎児のミイラのようなものがぶら下がっていることである。男の親指の所が同時に子牛の頭にも見える。

ウサギの足をキーホルダーにしてぶら下げる人がいるらしいことは知っているが、これは何のまじないか。種が無事育つように牛の胎児を手に持って・・・・だろうか。

よく見ると・・・・まさかと思いながら微妙な陰影を辿ってあらゆる見方をしてみると・・・・人間の胎児であるらしい。イラストのような体勢で蛇に頭を咥えられてぶら下がっている。尻の形が見える。足は途中から肉がなくなり骨だけになっている。

あまりの残酷さに頭に血が上り、気が変になりそうである。

冷静にならなくてはいけない。人間も鶏の卵などを日常食べているではないか。卵のカラザは胎児の胎盤なのだ。そのことを棚に上げて自分たちだけ特別で、食物連鎖の頂点にいるとの錯覚を捨てなければならないのだろう。

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画面の下段だけでなく奥の方にもいくらか死体が横たわっているようである。地面は死体だらけである。確かに土というのは有機生命体の死体を分解したものを主成分にしている。「あなたは土から生まれ、土にかえるのだ。」と言われるが、こんな露骨な表現で絵にしなくてもよかろうものを。

空にも大地にも巨大な蛇がおり、この生贄の人間たちを喰っている。人間をたくさん喰って消費したらまた増産しなければならない。それを男の生殖器と種まきという行為で表している。雌の子宮に種をまき、子供をたくさん作らせることを男の手にぶら下がった胎児で表している。「(喰って無くなった分)産めよ!増えよ!地に満ちよ!」との蛇神の声が聞こえてくるようである。