名画の中の人喰い蛇

美術品が教えてくれる命の意味を農作業しながら考える。

ゴッホ 「アルルの跳ね橋」 散乱した骸骨 生贄の終盤

フィンセント・ファン・ゴッホ 「アルルの跳ね橋」 1883年3月 クレラーミュラー美術館(オランダ)

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認知度の高い有名な絵である。このブログでも過去に一回取り扱ったが、絵の中に蛇画像が散らばっている事を発見しただけであった。時間がたって今回はもう少し深く読み取れたと思う。ただ解釈が難しく判別できない部分もあった。他の無数の名画を見て回ってもう一度検討する機会があったらまた少し理解が進むかもしれない。

跳ね橋の袂に洗濯場がある。女たちが川の水で洗濯している。その横に沈みかけた小舟があり、跳ね橋を渡る馬車が描かれている。明るい日差しの中の何気ない日常風景を色鮮やかに描いている。黄と水色の発色が良く清々しい。

画面手前の草むらの表現に注目した。「カラスのいる麦畑」にあった左下の土盛りがここにもある。その右手前あたりの表現も怪しげである。

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土盛りと見えた部分が骸骨に見える(上図右イラスト)。画質を変えてみると赤い色がそこに使われているのが分かる。「カラスのいる麦畑」同様に血だらけの人間の顔がそこにあるようである。この骸骨の後ろに大蛇が口を開けて噛り付いている(イラストでは緑色で描いた。骸骨の側頭部のあたりにいる)。骸骨を咥えて近距離で大写しになっているらしい。人間の頭部を咥えて振り回しながら喰っている大蛇がこんなに大きく描かれている。

その右側にも骸骨が散乱している。一つや二つではない。生贄の人肉の解体現場に不要になった頭蓋骨だけを集めて転がしてあるかのようである。ただ背後の草むらや川の中にこれらに喰いつく大蛇がたくさんいるのでまだ喰える部分があるのか。

洗濯する女たちも大蛇に襲われているらしい。服のように見せて大蛇が喰いついている。川の中からも波紋と見せかけた大蛇が女たちに向かって口を大きく開けている。

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画質を変えて見やすくした。色は変えてないのだが、赤い色が元々あったらしくはっきりと出てきた。赤色は大写しの骸骨・草むらの中の転がった骸骨・洗濯女たちの中等に見られる。血の表現だろう。空の中にある微妙な濃淡も次第に見えてきた。

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全体的にみると画面右上から超巨大な蛇の顔(イラストでは青い目のやつ)が一匹、左上からも同様に一匹(茶色い目のやつ)見えてきた。右上からの蛇は草むらの骸骨を喰い、左上からの蛇は洗濯女たちを喰っている。

草むらの骸骨群は上のイラストのように見ることもできた。うつぶせの人間が顔を上げている。下半身は巨大な蛇に喰われている(大写しの骸骨は同時に大蛇でもある)。全身血だらけで胃液で半ば溶かされたようになっている。その後ろには布に包まれた人間があおむけに転がっている。同じ形で布に包まった人間が洗濯女たちの足元に数体あるように見える。(この草むらあたりの判別が難しい。)

ゴッホの筆致は一見乱雑な筆運びに見えるが、その一筆ごとが作る微妙な濃淡が隠れた人体や人食い蛇を表している。