畑・生き物・美術

畑にある命・美術品が教えてくれる命の意味を農作業しながら考える。

ドガ「舞台上のリハーサル」 蛇神への生贄の現場が生々しく描かれている

ドガの絵も残虐な食人蛇の絵だった。

ドガリハーサル1
ドガリハーサル1 posted by (C)カール茅ヶ崎

エドガー・ドガ 「舞台上のリハーサル」 1874年 パリ・オルセー美術館

同じ画題の絵がメトロポリタン美術館にもあり、Wikipediaにはそれが載っているが、より詳細で高画質な物があったのでこちらを観てみる事にした。

クラシックバレエの舞台稽古風景。稽古の途中の休憩時間だろうか、ベンチに座る者、靴を直す者、踊りを見直す者等各自様々な動きをしている。監督と思しきシルクハットの男が、画面右奥の椅子に座っている。舞台袖で見ている者もいる。

ただこの絵、詳細に観るといかにも不自然である。

ドガリハーサル2
ドガリハーサル2 posted by (C)カール茅ヶ崎

画面左寄り奥のこの女の表情、一体何だろう。「ああ、間違えてしまった!」と悔んでいる?・・にしては苦しそうである。紐で首を絞めつけられているかのようである。

ドガリハーサル3
ドガリハーサル3 posted by (C)カール茅ヶ崎

画面左手前の三人。一番手前の背を見せている女と奥の眼のつり上がった女の間、女の首だけが一つ浮いている。この女の身体も足も見当たらない。遠近感がおかしく一番手前に見える。首には他の娘とは違う幅広い布状の物を巻きつけて、まるで切断された生首がそこに浮いているかのようである。ルノワールの「ブランコ」でも庭師と思われる男の首が空中に浮いていたがそれと同じ状況である。

ドガリハーサル4
ドガリハーサル4 posted by (C)カール茅ヶ崎

奥の方の数人。みな動きがバラバラで無表情である。特に奥の女は青白く生気が無く幽霊の様である。

ドガリハーサル5
ドガリハーサル5 posted by (C)カール茅ヶ崎

舞台中央のベンチに腰かけた女から順に詳細に観て行く。

この女は背中に手を当てて掻いている様子だが、よく見ると背中に蛇が這いあがって来ている。背中の肌の所にも蛇がいて、こいつが右手先に齧り付いている。頭は黒い蛇に呑まれているし、スカートのすその周りは蛇が回っている。

ドガリハーサル6
ドガリハーサル6 posted by (C)カール茅ヶ崎

画面左の集団。六人いるが全て大蛇に噛み付かれている。一番左の女はドレス自体が蛇で下から、肩口も横から、そして上からも噛まれている。頭の上に黒い蛇が乗っかっている。

次が首だけの女。左の女の脚の向こうにこの女の足かと思える物が見えているが実はこれも蛇である(イラストでは黄色くした)。

次の女は眼が吊り上っているが、これは背後の巨大な蛇に噛み付かれているからである。左手を上げて伸ばしているのも蛇に手先を噛まれて持って行かれているのである。

ベンチに片足を乗せている女、後頭部に噛み付く白い大蛇がはっきりと見える。後ろの女の肩ではない。この女の膝にも肩口にも大蛇の顔が見える。爪先立った右足が手前の女のスカートの下にあるのかと思ったらこれも蛇で、描き損じの痕跡の様な足の形も含めて実際に蛇がそこにいる事を表している(イラストで黄色く描いた)。

次の女は大蛇に噛まれて意識が無く恍惚としているようだし、その奥の女は黒い蛇に首を絞められて死にそうである。おまけに頭から黒蛇が圧し掛かり顔半分が呑まれているし、左腕も後ろの蛇が齧っている。

女たちの服も舞台の床も全て蛇で出来ている。

ドガリハーサル7
ドガリハーサル7 posted by (C)カール茅ヶ崎

舞台の奥の方の集団も大蛇に襲われている。上から、横から、下から大蛇たちが人間めがけて集まってくる。

画面右から見て行くと、まず監督と思われる男。左右のグレーの大蛇に噛み付かれている。背後にはさらに大きな蛇が大口を開けて今にも喰わんとしている。この男、生きているのか死んでいるのか分からない。

その左の女、左右の手先を蛇に噛まれて両手を広げさせられている。しかも頭や肩も大蛇に喰われている。

両手を同方向に上げた女、これも両手先を蛇に持って行かれてこんなポーズになってしまっているのだ。ドガの踊り子の両手を広げたのは多分すべてこのパターンで、両手先を蛇に持って行かれている。この女は頭も喰われているし、首も絞められている。

この女の左奥に二人いるが、二人とも上から来た大蛇に頭を齧られ意識がもう無い様子である。

その左の二人、上から降りてきた黒蛇・白蛇に頭を喰われている。

左端には三人いる。

ドガリハーサル8
ドガリハーサル8 posted by (C)カール茅ヶ崎

その三人の拡大図。緞帳の身体半分隠れた女は身体のほとんどを蛇に取って替わられている。肩から膝くらいまでは蛇が成り代わっている。もう呑まれてしまったのだろうか。薄暗い部分にこの女の顔がぼんやり見える。こちらを向いている。死人の様な顔である。

上図での中央の女は頭を上から来た黒っぽい大蛇にぱっくりと咥えられて、身体も大小様々な蛇にたかられている。

その左に下半身を大蛇に呑まれてしまった女がいる。うすぼんやりとして判別しがたいが、イラストの様な姿勢になっていると思える。女の下半身は上に繋がった大蛇の中である。

舞台上は阿鼻叫喚の修羅場である。