フランスの農民画家ミレーの「種をまく人」(ボストン美術館蔵の方)を模写し、自分なりに変化させてみた。
「農民画家」という言葉に憧れるが、この「種まく人」はさすがに名画だけあっていい。模写して細かく見て初めて分かった事だが、農民のたくましさ・力強さがよく表れている。たくましい手で作物のもとになる種を播く。未来に向かって足を大きく踏み出している。種の播き方も豪快でいい。
キリスト教ではその聖書の中に、種は救世主を表し、種を播くのは神そのものという事が書かれていたと思うが、ミレーはこの種播きという行為に何か宗教的な意味を込めているのか。神の啓示するものをしっかり受け止めよ、というような意味だろうか。ミレーはこの他に有名な「晩鐘」とかの祈りの場面を多く描いた敬虔なキリスト教画家だから、絵を描きながらも常に神の存在が意識されているのだろう。
ミレーは生活に貧窮しながら農民や風景を生涯描き続けた人で、ゴッホと共にその生涯を参考にしたい人だ。