キャベツとブロッコリーの畑に雑草が無数に生えている。「シロザ」と「ハキダメソウ」。この「ハキダメソウ」というのがすごい。高さ30~40センチに伸びているのだが、根元を見ると4センチ間隔くらいにビッシリ生えている。葉が5センチくらいにまで大きくなっているので、葉が重なり合ってキャベツを覆い尽くしている。
此処の除草をしたのだが刈っても刈っても刈りきれない。キャベツの外葉を多少傷つけてでも急いで刈らないと日が暮れる。
この「ハキダメソウ」をネットで検索すると、路傍に咲く小さな可憐な花がいいみたいなことがブログなどによく書いてある。この花に「ハキダメ」の名は可哀そうなどと書いてある。確かに7ミリくらいの小さな菊の様な花が咲いてはいる。自分も農業を志す前だったらただキレイだと思ってそれで終わりだったろうが、今はそうではない。
こいつはキャベツの葉に当たる日光を遮る邪魔な存在だから、片っ端から刈り取らなければならない。群生して作物の生長を阻害する敵だ。
かつてこの国の大部分の人間が百姓だった頃、コイツは憎むべき存在であり、掃いて捨てるほどたくさん生えるので、その憎しみを込めて「ハキダメソウ」と名付けられたのは当然だったかもしれない。実際刈り取られたこれがあちこちの畑の隅に「掃き溜め」されていたかもしれない。
小さな花は一つ一つがかなり多くの種を撒き散らし、来年の群生を計る。数で勝負しようという戦略だ。