上は死んだふりをするコメツキムシ・下はその幼虫。
サツマイモの畝立てをしているとこの幼虫が出てくる。「ハリガネムシ」とも呼ばれる農業害虫だ。
赤茶色の固い皮にくるまれた体長2~3センチの虫だ。表皮はプラスチックのように光っている。これが子供の頃よく見かけたコメツキムシの幼虫だと知ったのは去年の事だ。こいつはサツマイモの中に穴をあけていた。幼虫はその親の姿がちょっと思いつかないくらい変化するらしい。蛹になって変態するんだろう。
ここは1週間前に農薬の「ダイアジノン」を入れたところなのにしぶとく生きている。皮が固いので毒が効かないのか。
こいつを手に取ってみるとしばらく動かない。死んだふりをするのは親譲りかもしれない。
固い表皮はロボットのようだ。テレビでヘビ型ロボットを見たことがあるが、それと似ている。体の中にモータ-やギヤが入っているのではないかとさえ思う。親虫は仰向けにすると強力なバネで音を立てて跳ぶが、その親の使う強力なバネがすでに幼虫の体の中に用意されているのではないか。この機能的な体なら固い芋にほんの小さな穴をあけるだけでどんどん奥へ入っていけるだろう。
死んだふり(擬死行動)をとるのはどうなんだろう。天敵から身を守るためか。天敵は鳥?・モグラ?それらに対して、死んだ虫はうまくないぞと訴えているのか。これが効果的とは思えないが・・・・。クマの前で死んだふりをする人みたいで。
でもこんな生態で生き残ってきたのだから意味があるのだろう。
こいつは人類が滅んでもゴキブリと共に生き残りそうだ。