畑の中にもダンゴムシがいる。鍬で畝を立てているときなどに土の中から時々出てくる。ダンゴムシは植木鉢の下・石の下等じめじめした所で腐った植物の根や葉を食べている生き物だ。
他にムカデ・ヤスデ・コガネムシ・ウジ・ダニなど、集団でいるのを見ると気持ちが悪い思いがする物がいる。
しかしこれら腐食物を食べて生きている虫たちがいなければ、同じく腐食性のものを食べる微生物だけでは腐ったものの分解がなかなか進まないのだろう。そこらじゅうが生き物の遺体だらけになる。
人間にとって腐食した食べ物はその生存を脅かすのでタブーだ。(人間にとって都合よく腐食(=熟成)した食品は食べるが・・・・。)
腐食した有機物専門に食べて生きている虫は人間に食べられない腐ったものを食べる故に人間に嫌われる。
人間も有機物でできているから腐食した有機物は「死」を連想させるのでできるだけ遠ざけたい。
人は死んで遺体になって、腐ってこいつ等に食べられて骨になるのだ。(もっとも現代は遺体は火葬場で焼かれ灰と骨になって墓に入るので、分解されて土に戻るのはずっと先の事だが。)
土は生き物の遺体が腐り別の生き物に食べられて、その積み重ねの上で出来上がったものだ。土は何十億年間の無数の生き物の「死」の積み重ねの結果出来上がったものだから、その土で育った野菜等を人が食べるということは、いわば生き物の「死」が人の「生命」を支えていると言える。
その自然のリサイクルの様なシステムの一端を担っている腐蝕性有機物を食べる虫たちはいかに重要な存在か。地球にとっては人間よりも大事な存在かもしれない。